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沼津の飲食店で「大寒たまご」販売 大寒控え人気商品に

渡邊さん(左)と増田さん

渡邊さん(左)と増田さん

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 「駿陽荘やま弥」(沼津市西浦)で現在、自社養鶏場で取れた寒たまごの販売を行っている。

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 同店はミカン農家をしていた渡邊稔さんと妻のあけみさんが1973(昭和48)年、ラーメン店「やまや」として出店。1978(昭和53)年から民宿と食事処(どころ)を始め、駿河湾と富士山を目前に望むロケーションと「てまきずし」が人気になった。同店の養鶏場は約20年前に開設。稔さんはきっかけについて「自分の子どもが重度の障がい者で社会にお世話になっているので、恩返ししたいと思っていた。裏山の土地に竹がいっぱい生えてきたため除草の目的でヤギを飼い、障がい者にヤギの世話をお願いし始めたが、更なる雇用拡大を狙うため養鶏業を始めた」と話す。

 ニワトリは平飼いで約400羽飼育している。できる卵は有精卵。エサは同店で出る魚のアラや野菜くず、米ぬか、おがくずなどを毎日かき混ぜ、4日以上培養したものを使っている。多い時に1日約200個、少ない時で1日約40個を収穫する。たまごは同店の料理に使うほか、飲食店への販売なども行っている。

 小寒から節分までの期間に産み落とされたたまごは「寒たまご」と呼ばれる。滋養に富み、古来より寒たまごを食べると健康に暮らせるといわれている。大寒の日に生み落とされた「大寒たまご」は特に縁起がいいといわれている。

 稔さんは「この時期のたまごは特に黄身がトロッとしていておいしい。今シーズンは順調に収穫できていたが、日照時間が極端に減ったこともあり収量が急に落ち込んだ。少しずつ取れる量も増えてきた。毎年大寒に合わせてたまごを買いに来る人もいる」と話す。

 鶏舎の仕事を手伝っている増田浩一さんは「ニワトリに毎日『いつもありがとう』と声をかけている」と話す。

 稔さんは「自分が子どもの頃は各家庭でニワトリを数羽飼っているのが当たり前だった。風邪で寝込んでいる子がいると『これ、出来がいいから持っていきな』と家で取れたたまごを渡し合うこともあり、近所付き合いが今よりも深かった。コロナ禍で大変な時だが、このたまごを食べて元気になってもらえたら」と話す。

 価格は1セット(6個入り)=320円 。 大寒たまごの購入は一人1セット限定。

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