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沼津で「寒中みそぎ祭り」 ふんどし姿の男たちが海でみこし担ぐ

「祝い水」をかけられる様子

「祝い水」をかけられる様子

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 楊原神社と大朝神社(沼津市下香貫)の正月行事「厳冬海中みそぎ祭り」が1月11日、牛臥山公園内の小浜海岸で行われた。

餅まきの様子

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 海中みそぎ祭りは天下太平と五穀豊穣(ほうじょう)を願って行われる正月の伝統行事。厄年の男性や年男で構成される「神男(かみお)」と呼ばれるふんどし姿の男衆が、勇壮な掛け声を上げながらみこしを担いで真冬の海に入る。

 「二社厳冬海中みそぎ祭り保存会」の原田武虎さんは「江戸時代から行われていたが、沼津大空襲でみこしが焼け、途絶えてしまった。本を読んでこの祭りのことを知り、地元有志によって2001(平成13)年に再興させた」と言う。

 新型コロナウイルス感染症の影響で昨年・一昨年は神事のみの開催だったが、今年は3年ぶりの祭りとなり、会場には多くの見物客が集まった。

 今年の神男は16人で、沼津市内だけでなく神奈川県や新潟県の参加者もあった。神男たちは厳冬の駿河湾に勇ましい姿で入水。再び陸上に上がると、祭りの役員や参加者らから「祝い水」と呼ばれる冷水を浴びせられ、1年の無病息災を祈った。

 今年は3年ぶりに神男たちによる餅まきも行われ、祭りはにぎわいに包まれた。餅まきに参加した地元の小学生は「今まで祭りがなくてさみしかったが、今年は多くの餅を手に入れた。家族でおしるこにして食べたい」と笑顔を見せた

 今年沼津市役所に入庁した外岡隆弘さんは「職場でみそぎ祭りの存在を知り、今年厄年ということで同僚を誘って参加した。思った以上に寒かった」と話す。「昨年は新卒で入庁して多くを学んだが、今年は2年目として後輩にも指導できる存在になれれば。昨年から趣味でアウトドアを始めたので、仕事だけでなく趣味も充実した1年にしたい」と抱負を述べた。

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