
沼津駅北の旧イシバシプラザ(沼津市高島本町)跡地の仮囲いに絵を描くプロジェクト「カベヌマ」が6月28日に始まった。
旧イシバシプラザ跡地の仮囲いに絵を描くプロジェクト「カベヌマ」(関連画像10枚)
1978(昭和53)年、製紙工場跡にオープンしたイシバシプラザ。地上4階・地下1階で、売り場面積は約2万2500平方メートル。イトーヨーカドーのほか専門店が入居し、多くの市民に親しまれてきたが、施設老朽化に伴い2021年8月22日に閉店した。閉店後、建物は解体されて更地になり、白い囲いで覆われている。
仮囲いは幅50センチ、高さ2メートルの鉄製パネルをつなげたもので、同プロジェクトでは「リコー通り」側のパネルのうち約300枚に絵を描く。
絵を担当するのは、画家・田川誠さんとディレクター・深澤慎也さんから成るアートチーム「ペトロアンドヨゼフ」、沼津市在住の画家・マツナガマサエさん、沼津市公認おさかなアートクリエーター・すずきしょうたさん、沼津市内の高校で美術教員をしながらアートワークショップなどを行う斉藤遥加さん、沼津市在住のイラストレーター・MOKOさん、アーティストのYUSUKE SUGISAWAさん、イラストレーターの渡辺純さん、御殿場市在住の抽象画家・草井裕子さんの8組のアーティスト。
実行委員会代表の青木一さんは「40年以上にわたり地元に愛されたイシバシプラザが姿を消して4年。今、沼津駅北のまちの真ん中がぽっかりとした空白エリアになっている。近くには高校や学習塾、企業が並び、多くの市民がこの囲いの前を通る。更地を囲む数100メートルに及ぶ真っ白の仮囲いをキャンバスにして、まちを明るく照らしたいと思い企画した。沼津にゆかりがあり、それぞれ独自のスタイルを持ち、描き方も表現も全く異なる、個性あふれる7組のアーティストに声をかけた」と話す。
ペトロアンドヨゼフの深澤さんは「作品のタイトルは『This is POP NUMAZU』。ストリートカルチャーをテーマに、工事現場の三角コーンやイシバシプラザにあったロッテリアのハンバーガーやコーラ、フェンシングなど、沼津らしさをエッセンスとして取り入れている。制作期間が夏なので、体調に気をつけながら取り組みたい」と話す。
青木さんは「巨大な絵が何枚も連なり、白い仮囲いがまるごとアートに生まれ変わる。市民参加の作品もあるので、皆さん一緒に沼津のまちでアートしましょう。新たなまちづくりが始まる沼津駅北の『まちなか美術館』を楽しみにしてほしい」とも。
完成は8月下旬を予定。