
ドーナツ専門店「くろいあひる」(沼津市高島本町)が8月1日、オープンした。
天然酵母の低温長時間発酵で約2日半かけてドーナツを仕込む。店主の堀内理江さんによると、「酵母の中の微生物がゆっくりと風味成分を作るため、素材のうまみが感じられる、もっちりとした生地に仕上がる」という。
商品は、「てんさいとう」(320円)、「しなもん」「きなこ」(以上330円)、「しゅがしゅが」「クッキークリームさん」(以上350円)など常時5種類ほどのドーナツを用意する。
堀内さんは、コーヒー店を始めたいと約10年前に会社員を辞めて飲食店での経験を積んだ。チェーン店のコーヒー店やカフェなどで働くうちに、ケーキや菓子作りなどに興味を持つようになっていったという。さまざまな菓子作りに挑戦し、ドーナツを作った時にうまくできなかったが、イーストドーナツやケーキドーナツなどいろいろな種類があり、その奥深さにはまっていった。2022年にはイベント出店でドーナツの販売を始め、今回、テイクアウト専門店を構えた。
堀内さんは「いろいろな種類の酵母を試した中で、しっくりくるドーナツを作ることができた。『くろいあひる』のドーナツは小麦の味わいダイレクトに伝わる生地。私自身、甘いのが苦手なので、より小麦の風味を大切にし、もっちりとした食感が楽しめるドーナツに仕上げた」と話す。
「製造から販売まで全て一人で行っている。限られた新鮮な材料で素材の味を引き出すように作っている。天候によって生地の発酵する加減が変わってしまい、とても繊細。失敗と成功の繰り返しで辛い日々もあったが、それがあるからこそ成長ができて楽しい。皆さんに安心して召し上がってもらえるよう、素材の味わいを楽しんでもらえるようにと、気持ちを込めて作っている。これまでたくさんの人たちに支えられて、ここまで来ることができて感謝でいっぱい。これからも成長を止めずに頑張っていきたい」とも。
営業は金曜・土曜の12時~17時(売り切れ次第終了)。