自然エネルギーだけで電気と水を自給する宿泊施設「WEAZER(ウェザー)西伊豆 廻-KAI-」(沼津市戸田)が11月1日にオープンする。
独自開発のAI制御機能について説明する高野社長(関連画像5枚)
外部インフラに頼らず、自然エネルギーのみで電力と水を自給する一棟貸しの宿泊施設。屋根と一体化した太陽光パネルで電気を作り、地下タンクにためた雨水をろ過・減菌して生活用水にする。2つの寝室があり、最大5人で利用できる。オフグリッドでありながら、サウナ室も備えた。
独自開発のAI制御機能「オフグリッドHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」を搭載し、太陽光発電量や蓄電池の残容量、雨水タンクの水量などを常時モニタリングし、現在の自給状況を把握。過去の実績データと天気予報を組み合わせ、電力が不足しそうな場合は自動的に空調などを調整し、最適制御して節電する。排熱を再利用する独自の「Heat Circulation(熱循環)システム」では、浴室や空調などから発生する熱を再利用することで、省エネ性能を従来の3倍に高めたという。
同施設を運営する「ARTH」(東京都中央区)の高野由之社長は「沼津市戸田の舟山という、令和の時代では忘れられてしまったようなこの集落から、世界に先駆ける場所を作っていきたい。人類はこれまで不確実な自然を管理し、20世紀の文明の中で強制的な関係を築いてきた。でももう一度、その不確実さを受け入れ、人が培ってきた現代の暮らしやテクノロジー、まちづくりと調和させながら、新たな価値をこの舟山から世界へ発信していきたい。絶景と食事、自然に優しい体験を味わってもらえたら」と話す。
10時チェックイン、16時チェックアウト。料金は1泊2日44万円(宿泊料金に食事代などを含むオールインクルーシブ)。