喫茶店「珈琲(コーヒー)アガルタ」(沼津市新沢田町)が10月14日にオープンした。
店舗面積は24平方メートルで、席数は、カウンター=5席、テーブル=4席。店内で焙煎(ばいせん)したコーヒーと店主の妻手作りのスイーツを提供する。
店主の木村俊介さんは沼津市生まれ。父親の仕事の関係で小学1年の終わりから4年までインドネシアで過ごした。大学時代は同志社大学ジャズ研究会に所属し、京都の喫茶店「ブルーノート」でアルバイトを経験。卒業後は仙台で14年間、工業製品メーカーに勤務し、仙台のコーヒー豆店の焙煎士から焙煎を習ったという。
2024年10月に祖父母の家がある沼津へUターンし、かねての夢だった喫茶店を開業した。内装デザインは建築士でもある妻の彩さんが手がけ、床のモルタル塗りやしっくい壁などを約2カ月かけ夫婦でD.I.Y.してリノベーションした。店名の「アガルタ」は、マイルス・デイビスの1975年大阪公演のライブ盤「Agharta」に由来。店内には約650枚のレコードと300枚のCDを所蔵し、レコードプレーヤーから流れるジャズが空間を包む。鼠志野や織部焼、大谷焼などのマグカップでコーヒーを提供する。
コーヒーは、エチオピアの浅いりブラジルの中いり、グアテマラの深いりの3種類の定番と限定豆などを随時用意する。「少量ずつ焙煎して鮮度を保つことにこだわる」という俊介さん。抽出は円すい型ドリッパー「KONO式」で行う。麦芽水あめとショウガで作る関西の飲み物「冷やしあめ」や妻の彩さんが手作りするキャロットケーキなども用意する。
俊介さんは「コーヒーは昔から好きで、小学生の頃からコーヒーをいれてた。新鮮な豆で毎日おいしくコーヒーを飲んでほしいので、特別なものではなく、毎日飲めるような飲みやすいコーヒーを提供できるよう心がけている。下校途中の小学生が店に寄って初めて見たレコードを初めて聴いて驚き、父親と通ってくれるようになった。ジャズ好きはもちろん、ジャズにまだあまり触れたことのない人も、この場所がジャズの接点になれば。店の成長とともにレコードも増やしていきたい。日常に溶け込めるような店にしていけたら」と話す。
営業時間は10時~17時。日曜・月曜・祝日定休。