下田を中心に季刊で発行しているフリーペーパー「下田的遊戯」が8月5日発行の43号で10周年を迎えた。
同冊子は2005年7月に創刊。当初は2000部発行で8ページのタウン情報紙だったが、現在は5000部に増刷。ページコンテンツも増え、特集記事のほかゲストライターによるコラムや連載、「おじさん図鑑」で知られ、下田市出身のなかむらるみさんによるイラストコラムなど、充実した内容となっている。
渡邉一夫編集長は下田市の出身。大学と就職は東京だったが「いつかは地元の下田に戻って仕事がしたかった」と夢を果たし、2004年にカフェをオープンした。一方、下田地域の自慢や案内のできる地域住民が少ないことに気づいた渡邉さんは「もっと地元の人が地域の魅力を再発見してほしい。再発見することによって、下田の価値を見なおしてほしい」との思いから同冊子を創刊したという。
これまで主な広告営業は行ってこなかった同冊子。地方発送なども行っていない。その理由について、「収益性を追求すると、下田の魅力を引き出しきれないと思った。自身が発見していきたい人・名物・出来事などを追いかけていくにつれ、地域の人々が応援してくれている。目指すのは地域で手に取り、見てもらいたい情報。だから下田に置くことを徹底している」と話す。
10周年記念号の特集は「感謝状」をテーマに、下田で活躍する人々に編集部が感謝状を贈る内容。登場人物の豊かな表情や感謝状を受け取ったコメントが印象的な構成に仕上がっている。「生まれ住んだ下田には魅力のある人が多い。この冊子はそんな人々の活動も追いかけている」と渡邉さん。
次号について、「現在までは編集作業を1人で行ってきたが、これから多くの人に関与してもらい、それぞれの得意技が伸ばし合っていく紙面になっていければ」と渡邉さん。今号から編集スタッフの募集を行っている。
「今まで紙の情報を発信してきたが、今まで作ってきた情報発信の経験を生かして、地域の本当に楽しい・役に立つ情報を発信できるウェブメディアを作っていきたい」と意欲を見せる。