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三島で仏・女性監督のドキュメンタリー上映会 原発避難者ら約100人の「声」集める

イベントにはケイコさんのトークショーも。

イベントにはケイコさんのトークショーも。

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 三島市生涯学習センター(三島市大宮町)で9月5日、映画「霧の向こう」の上映会が開催される。

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 同咲くはフランス人の映像作家であるケイコ・クルディさんの作品で、福島原発事故後の人々の生活を映し出したもの。インタビューは、避難地域に在住していた家族や、女子高生、当時の内閣総理大臣であった菅直人元総理など、約100人のインタビューにより構成されている。

 ケイコさんはフランス出身、東京大学大学院を修了後、京都造形芸術大学の助教授なども歴任。自身の「ケイコ」という名前は、女優・岸恵子にちなんだもので「日本は豊かな文化や儀式、自然や食糧、人々の優しさなど例を挙げたらきりがない。日本にやってくると『ただいま』というほど、日本は自分にとっての一部だ」とケイコさん。

 今回の映画を撮影するきっかけについて、ケイコさんは「震災についてうまく説明できないが、自身の心を深く裂き、揺り動かした。震災後にすぐに日本に戻り、自身に何ができるかを考えた」と話す。

 その結果「実際に何が起きているのかが知りたかった。大地震はよく起こるもの、と東京では言われていたが実際にそれが起きた。その現場にいた人々の心の深淵(しんえん)を感じ、その気持ちを伝えることだと感じ、1年間のインタビューを行った」と振り返る。

 インタビューについて、ケイコさんは制限区域内に住み続ける、当事女子高生であった山田りささんとの出会いが印象的だったと話す。「制限区域の中にいながらも、原発の存在を受け入れ、笑顔を絶やさずインタビューに答えたのは、自身にとって意外だった」と話す。

 今回の上映会はケイコさん自らが登壇者として、上映後のトークショーにも挑む。ケイコさんは「福島第一原発の事故を風化させないことだけが目的でなく、この作品を見てもらい、日常の生活や3・11の問題を超えた新しいものを生み出していくきっかけになれば」と話す。

 上映会は14時30分から。参加無料。問い合わせは見る会(TEL 090-9124-7264)まで。

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