熱海の佐藤椿油店(熱海市銀座町)で6月10日、トークイベント「温泉街における再発見の可能性」が開催された。
熱海と別府、それぞれの温泉街から、「BEPPUPROJECT」代表理事で「混浴温泉世界」総合プロデューサーの山出淳也さん、来宮神社(熱海市西山町)宮司の雨宮盛克さんが登壇し、日頃の活動紹介を中心に対談した。
イベントを企画した戸井田潤さんは「熱海地域を中心にアートイベントを中心に企画を行っているが、今回はアートにとらわれない『街』を中心としたイベントを行い、広い対象者に再発見を意識してもらいたいと思い企画した」と話す。
山出さんは、別府を中心とした企画の事例を紹介し、「10万人、100万人を呼びこむ企画を作るのもいいが、次回やそのまた次回に訪れるファンを作っていくほうがいい」と話した。
雨宮さんは宮司に就任してから現在までに企画した約40のプロジェクトを紹介。「神社内のイベントだけでなく、名物などを通じ、神社から街へ繰り出す仕掛けも考えている」と話した。
来場者からの「折衝を行っていて、心が折れたことはないか」との質問に対し、山出さんは「自身がどういう未来を作りたいのか、そのビジョンをしっかり持つことによって、関係する人たちと信念をもって交渉することができる。やめたい・やりたくないと思ったことはない」と答えた。
同質問に対し、雨宮さんは「相手との戦いというよりも、自身の信念に打ち勝つかが課題。自分がこれをやりたい、と強く思うことが大事。自身が宮司に就任したとき『変えざるをえない』という環境があり、その状況まで行ったからこそ強い信念が持てたと思う」と答えた。
イベントを終え、戸井田さんは「今回のトークショーを通じて、参加者や自身も含めて、街の理想とテーマに共感が得られた。今後は、展示会一つ一つが街や自分の事にできるようなスペース作り、環境作りを行っていきたい」と意欲を見せる。