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伊豆の被災地支援イベントに子ども記者取材 支援の輪広げる

商品開発や地域の魅力について取材する、子ども記者の2人。

商品開発や地域の魅力について取材する、子ども記者の2人。

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 函南町にある牧場・酪農王国オラッチェ(函南町丹那)で3月11日、震災支援イベント「被災していない僕達が頑張る!」が行われた。

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 同イベントは今年で7回目。イベントは、函南や三島、沼津を中心に経験豊富な料理人やパフォーマー、アーティストたちが集まり、その技術への対価を義援金に当てる仕組み。当日はおよそ40のブースとパフォーマンスが会場を沸かせ、当日はおよそ4000人の来場者が訪れた。

 主催者の小川正道さんは、今回のイベントについて、「天候もよく昨年よりも多くの人が集まった。今年は熱意のある出店者と参加者に恵まれ、とても充実したイベントになった」と振り返る。

 イベントには被災地である宮城県石巻市から「石巻日日こども新聞」の取材で、石巻市立湊中学校2年の斎藤小枝さんと、石巻市立山下小学校6年の丹野里奈さんが、同イベントの取材を行っていた。

 同新聞は石巻日日新聞(宮城県石巻市)と子どもみらい研究所(宮城県仙台市)が市内在住の高校生以下の子どもたちと一緒に取材活動を行い、情報を発信していく媒体。発行は年4回で石巻日日新聞に折り込みされるほか「サポーター」と呼ばれる寄付先に送付する仕組み。毎号3万部発行される。

 交流のきっかけは、2015年からイベントで集めた義援金を同新聞の運営に寄付したこと。翌年から2人がイベント地に赴き、自身の目線で取材をしている。斎藤さんは「石巻から持ってきた海産物が1時間以内で売り切れた。とても活気がある」と話し、丹野さんは「年々元気なイベントになっていてうれしい」と感想を話した。

 この日は、同施設の営業管理部長の西村悟さんにインタビューした2人。2人の記者の取材は、地域の魅力発信について質問。西村さんは「地域で普通と思っているものでも、少し目線を変えることで価値が発生する。漁師の暮らしを体験することや、使い方によって価値が生まれるものも多くある」と返答。

 続いて西村さんは「今後は丹那と石巻の名物たちが集まる商品づくりを行えれば、障がい者や高齢者などより多くの被災地にいる人々の仕事につながっていければ」と今後の支援の輪について可能性を見せた。

 今年はおよそ100万円の義援金が集まり、義援金の使い道の半分については、子ども記者たちが探した被災支援に充てる予定という。小川さんは「自分たちだけでなく、実情を知っている人々が支援先を探し、人々の手助けになってもらえれば」とも。

 取材を終えた斎藤さんは「人の話を聞いて文章を書くことでコミュニケーション能力が上がったと思う。この能力と自分の好きな英語を生かして、将来はホテルのフロントなど人と携わる仕事がしたい」と話す。

 丹野さんは「メモを書くばかりでなく、人の顔を見ることも大事と学んだ。将来は保育士として地元を支えていきたい」と話した。

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