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長泉の四ツ溝柿が出荷ピークに 愛情注いで甘み豊かに

愛情をかけた四ツ溝柿を出荷する粟野さん

愛情をかけた四ツ溝柿を出荷する粟野さん

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 駿東郡長泉町の名産品である「四ツ溝柿(よつみぞがき)」が現在、出荷のピークを迎えている。

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 四ツ溝柿は静岡県中心に自生している渋柿の一種で、長泉町周辺の農家の庭先で自生していた。1950年代に桃農家だった数軒の農家が、柿農家に転身。JAなんすん四ツ溝柿部会・部会長の粟野和明さん(67)は「最盛期よりも減ってしまったが、現在でも部会内で25軒の農家が栽培をしている」と話す。

 四ツ溝柿の形状は、頭部がとがった形状をしていて4つの溝があるのが特徴。渋味を抜いた柿の味について「次郎柿よりも食感は柔らかくしっとりとしているので、皮ごと食べることができる。糖度も18度以上あり、今までの柿の感覚とは少し異なると思う」と話す。

 粟野さんは年間およそ5トンほど四ツ溝柿を出荷する農家で、粟野さんの父の代から続く畑で生産を続けている。ほぼ一年中手入れをする必要があり、「休みなく毎日畑に向かっている。毎日実を観察し、虫や病気になっていないか観察しないと、すぐに実が傷んで出荷できなくなってしまう」。

 収穫の最盛期となる現在は、家族や親戚、同級生などの仲間総出で出荷作業を行う。粟野さんは「大きな組織の一部として活動する会社員と異なり、自分が手を抜くとすぐ結果として現れる。その愛情をかけた分、味や品質に反映するのが農業の楽しさ。収穫時期に家族やみんなが集まるのも、また楽しい」と笑顔を見せる。

 「出荷数が少なく、知名度が低いが四ツ溝柿を多くの人に知ってもらえれば。今後も愛情をかけた柿を出荷していきたい」とも。

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