「幼魚水族館」が7月7日、商業施設「サントムーン柿田川」オアシス棟(清水町伏見)3階にオープンする。
水族館は延べ床面積約330平方メートルに65個の水槽を配置し、世界中の淡水・海水に生息する幼魚、深海サメやタカアシガニの卵、幼生など約100種類を展示する。岸壁幼魚採集家でタレントの鈴木香里武さんが館長を務め、幼魚の手配や運営などを「ブルーコーナー」(沼津市江浦)が担う。
鈴木さんは「幼魚は生き延びるためにいろいろな工夫をしている。その生きざまにスポットを当てた世界で初めての幼魚専門の水族館」と話す。
伊豆半島の漁港を再現した水槽は、シーズンごとに展示する幼魚を入れ替え、漁港の今を表現する。鈴木さんが3日前に採集した「ゴンズイ玉」と呼ばれるゴンズイの群れや、1センチで採集し3センチまで育てたサクラダイの稚魚も展示する。トラフグやアワビ、マダイなど食卓でなじみのある魚の幼魚は、養殖場から手配した。飼育途中に死んでしまった幼魚は透明標本にし、成長した魚は卒業式ならぬ「卒魚式(そつぎょしき)」をして全国の水族館に無償提供し、引受先の水族館での展示を行う。
0歳のころから伊豆の漁港に通っているという鈴木さんは「伊豆は第2の故郷。清水町には日本三代清流の柿田川があり水が清らかで、富士山の湧き水が川となり駿河湾に流れ多様な海の海洋生物がある。水族館をつくるのが子どものころからの夢だったので、魚と海の始まりの場所である清水町に水族館をオープンすることができてうれしい」と話す。
「身近な岸壁にたくさんの魅力があることをここで感じてもらいたい。この水族館が、海と魚の世界を知るための入り口になれば。今はさまざまな検索ツールがあるので、きっかけさえつかめば子どもたちの知的好奇心は広がっていく。海洋ごみさえも利用し生き残るたくましくけなげな幼魚のことを知れば、環境問題への意識も変わると思う。小さな体に大きなロマンがある幼魚の生きざまからヒントやエールを受け取ってほしい」とも。
営業時間は10時~18時。入場料は、大人=1,200円、中学・高校生=1,000円、小学生=600円、幼児=400円、3歳以下無料。