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南伊豆で「リュウグウノツカイ」確認 「夏の浅瀬での発見はまれ」専門家も驚く

ヒリゾ浜沖で確認されたリュウグウノツカイ(佐藤洋子さん撮影)

ヒリゾ浜沖で確認されたリュウグウノツカイ(佐藤洋子さん撮影)

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 南伊豆にあるヒリゾ浜(南伊豆町中木)沖で9月26日、深海魚の一種である「リュウグウノツカイ」が確認された。

ヒリゾ浜沖で発見されたリュウグウノツカイ(大倉朋子さん撮影)

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 リュウグウノツカイはアカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する魚類の一種で、大型の深海魚に分類される。発見されることはほとんどなく、生体の確認はとても珍しい。

 今回発見したのは、ヒリゾ浜でシュノーケリングを楽しむ一行。26日昼頃にダイバーたちが確認したリュウグウノツカイについて、発見者の一人で東京都から訪れた大倉朋子さんは「当初はビニールごみかと思ったが、泳ぎ始めたので生物ではないかと近づいた。リュウグウノツカイと認識したのは、仲間たちと確認し合い、さらに、魚類に詳しい仲間から聞いた」と話す。

 リュウグウノツカイの全長は、目視では「20センチほど」。大倉さんはリュウグウノツカイに触れないようカメラで撮影したが、遊泳区分から離れてしまうため追尾を断念。「わずか50メートルほどだが、とても幸せだった」とつかの間のランデブーを振り返る。

 ヒリゾ浜で渡船業を行う漁師の高野克宏さんは「この日は透明度も高く魚類を見るには最適の日。まさかリュウグウノツカイが観測できるとは思わなかった。長く漁師をしているが初めての体験」と話す。

 リュウグウノツカイについて、魚類に詳しく「海の手配師」としてメディア出演も多い、ブルーコーナージャパン(沼津市江浦)社長の石垣幸二さんは「冬場で10センチ程度のリュウグウノツカイが確認される報告は何例かあるが、夏場の浅瀬に20センチの大きいサイズが出るのは聞いたことがない」と話す。

 今回の遭遇について、石垣さんは「湧昇流(ゆうしょうりゅう)が発生して浅瀬に流されてきたのでは」と推察する。「もし私が水中で発見したら失神もの。生体と出会うのは『一魚一会』の奇跡」とも。

 大倉さんが出会ったリュウグウノツカイは、その後、ヒリゾ浜沖へ姿を消したという。「ゆっくり泳いでいる姿はとても優雅で、一緒に泳いでいる時間はあっという間だった。またどこかでリュウグウノツカイに出会って一緒に泳ぎたい」と振り返る。

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