アーティスト杉山あるくさんが5月28日・29日、カフェ「riviere(リビエール)」の外壁に壁画を描いた。
杉山さんは函南町出身。現在、東京芸術大学大学院2年。同大学卒業作品展で「メトロ文化財団賞」を受賞し、2022年7月に受賞作品が1カ月間銀座駅に展示された。
今回、横約4メートル、高さ約3メートルの同店の外壁に、三島市の鳥カワセミのほか、9種類の生物を約20時間かけて描いた。
店主の高塚賀行さんは「函南出身の杉山さんの作品が銀座駅で展示された際、地元の人が見られないのは残念だと思い、凱旋(がいせん)企画として昨年12月にリビエールで杉山さんの展示会を行った。それが縁で、毎月ドローイング会を行うようになった。観光スポットの風景をにぎやかにしたい、リビエールを拠点にアーティストがあふれる街にしたいと、杉山さんに壁画を依頼した」と話す。
杉山さんは「ドローイング会の『同店のメニューを食べたり飲んだりして感じた印象を生き物にする』というテーマの際に生まれた生物や、私の世界にいる生き物たちを集結させた。リビエールで提供する、スパイスが混ざり合ってできた料理や菓子、そこに引かれて集まるさまざまな人など、この店には面白さと癖と魅力が詰まっていると感じていた。それらが化学反応を起こして新たな可能性が生まれる様子を描いた」と話す。
「普段の生活で見かけるものや現象など全てのものから「面白い」を見いだす力があればもっと人生は豊かになる。そんな人が増えればもっと楽しくて優しい世界になると思う。見た人が『この生き物はこんな性格なのか』など物語を考え紡いでいくことで多様な世界が広がるきっかけになれば」とも。