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江戸時代の極小ひな飾り-三島の美術館で「里帰り」展示

展示されている高さ10センチほどのひな飾り

展示されている高さ10センチほどのひな飾り

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 佐野美術館(三島市中田町)で現在、特別展「花のお江戸の雛(ひな)飾り-極小美の世界-」が開催されている。

精巧につくられたひな道具たち

 同展覧会は、美術館が新たに収蔵した江戸八丁堀の与力だった仁杉(ひとすぎ)家に伝わったひな飾り一式を同館で初めて公開するもの。

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 ひな飾りは「八丁堀の名物雛」とも呼ばれていたもので、高さ10センチほどの公家装束を写した有職(ゆうそく)ひな一対と、精巧な蒔絵(まきえ)が施されたかれんなひな道具約130件からなる。大きな棚でも高さ十数センチで、1センチにも満たない小さな文房具や茶道具など極小の世界にさえる職人技を楽しむことができる。

 道具の中には特注品と見られるものもあり、中でもひときわ細かな蒔絵が施された「七澤屋」のひな道具は、庶民には手の届かない高級品として「世帯を持つよりも高価である」と江戸時代の文献に書かれているという。また、道具の一つである「櫓(やぐら)時計」は、本物の時計と同様に時を刻む仕掛けが施されている非常に珍しいひな道具だという。

 このひな道具は仁杉家を離れた後、持ち主を点々とし、一時は製薬会社「わかもと」創業家の長尾よねの美術館に飾られた。その後、アメリカのコレクターの手に渡ったが、日本人のコレクターの努力により近年日本に里帰りし、佐野美術館に収蔵された。

 展示を訪れた三島市在住の女性は「蒔絵や螺鈿(らでん)の細かい細工が素晴らしい」と、熱心に見入っていた。

 開館時間は10時~17時。入館料は一般・大学生1,000円、小・中・高校生500円。木曜休館。4月5日まで。