大瀬まつりが4月4日、大瀬崎(沼津市西浦江梨)と内浦漁港(内浦三津)で行われた。
駿河湾の豊漁と航海の安全を祈願し、毎年4月4日に行っている同祭。今年は内浦など県内の漁港から14隻の「踊り船」が集まった。大漁旗や杉の枝、紅白幕などで華やかに装飾された踊り船は各漁港を出発。大瀬神社を参拝し、海の安全と大漁を祈願した。
祭りの主役となる地元の男性漁師たちは、おしろいで顔を白く塗り、口紅を引き、ピンクや赤色の長じゅばんを羽織って女装する。船上の漁師たちはおはやしに合わせ「勇み踊り」と呼ばれる地域伝統の踊りを披露。「ちゃんちゃらおかし、ちゃらおかし。あのこのしゃっつら、まだおかし」の掛け声とともに踊り、大瀬神社を目指した。
沼津市から訪れた30代の女性は「昨夜は強い雨が降っていたが、雨があがって良かった。富士山は見られなかったが踊り船の迫力に感動した。大瀬祭りの勇み踊りを見ると春の訪れを感じる」と話した。
女装した男たちが活躍することから「天下の奇祭」とも呼ばれる。女装する理由について、地元では、大瀬神社の祭神が男性であるため漁師たちが喜ばせようとした説が有力とされている。地元漁師は「4月4日は桃の節句と端午の節句の中間。男と女の中間だから男が女装し、妻は夫の安全を願って長じゅばんを託したという説もある」と話す。