「アートスペース入サ岩﨑商店」が4月23日、沼津市白銀町にオープンした。
1961(昭和36)年から2012(平成24)年まで、畳に使う材料の卸問屋として営業し、その後空き家となっていた物件を改装した同スペース。
畳問屋を経営していた岩﨑作太郎さんの孫に当たる佐々木千彩美さんが、広さ10平方メートルの1階と半地下部分をアートスペースとして活用する。店内には、畳を敷いた広さ4畳半のステージも設置する。
同スペースではオープンを記念して、全3回にわたり県内在住の作家による個展を開催する。
第1回は、富士市在住の作家高木健一さんの作品約70点を展示する。横3メートル、縦4メートルの同スペースの壁をキャンバスに見立て、今回の個展のために制作したという立体作品や、木彫り作品に彩色した「木彫ドローイング」、鉛筆やクレヨン、アクリル絵の具、水彩で描いたポストカードを展示する。
佐々木さんは「中学2年生の時、富士市内の商店街で高木健一さんの展覧会を見たのが、初めて美術館以外の街中でアートに触れた体験。『余白を描いている』という高木さんの作品は、禅などの和文化と通じるものがある。展示は高木さん自身がセッティングを行ってくれた。本棚や窓など、空間の余白に作品が点在している」と話す。
「2階のフリースペースと3階の和室を夏ごろまでに整備し、アーティストインレジデンスとして建物を一棟貸しし、国内外の作家が宿泊しながら制作活動を行って作品発表できる場にしたい」とも。「元畳問屋だったこの場所で、畳の魅力やアートを発信していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は10時~16時。月曜定休。入場無料。