誠恵高校(沼津市沼北町)の生徒が手がけた2作品が「第53回公募全陶展」で金子賢治賞と新人賞を受賞した。主催する全陶展本部が10月17日に発表した。
同校芸術コース2年の高山優衣さんの陶芸作品「行方」が金子賢治賞を、岸絵里菜さんの陶芸作品「深碧」が新人賞に、それぞれ選ばれた。同校はこれで、3年連続「全陶展」受賞を果たした。
芸術コースでは2年時からデザイン専攻・絵画専攻・陶芸専攻に分かれ、専門性を高めた授業を行っている。陶芸専攻はガス窯・電気窯などの施設があり、特にガス窯は縦・横1メートル、高さ1.5メートルという大きな窯で、生徒たちが大作に挑むことができる環境を用意。陶芸部では週2回、富士宮市在住の陶芸家・小割哲也さんから個別指導もう受けている。
高山さんは「身近にありつつも禁断の果実とされるリンゴをモチーフに制作した。粘土の管理やうわぐすり掛けなどの慣れない作業も多く、制作途中で壁に当たることもあったが、先生方の的確なアドバイスや温かいサポートのおかげで無事に完成することができた。これからも部活動を通して、さまざまな経験を積み、見る人の心に、より響く作品が作れるように励んでいきたい」と話す。
岸絵さんは「貝に関連したものを作ってみたいという思いからモチーフの資料素材を集め、先生とのディスカッションを通してアイデアスケッチを制作し、その造形をだんだんと抽象化させていった。オウムガイの標本の断面のらせんを形にしたいと思い、曲線が美しくなるように時間をかけて丁寧に作り上げた。制作の過程で一部分が崩れたり、粘土管理で苦戦したりすることもあったが、完成度の高い作品になり、それが評価されてとてもうれしい」と話す。
入賞作品は10月22日まで、東京都美術館(東京都台東区)で展示されている。