「厳冬海中みそぎ祭り」が1月13日、牛臥山公園(沼津市下香貫)内の小浜海岸で行われた。
楊原神社と大朝神社(同)の正月の伝統行事として天下太平と五穀豊穣(ほうじょう)を願って行われる同祭。厄年の男性や年男で構成される「神男(かみお)」と呼ばれるふんどし姿の男衆が、勇壮なかけ声を上げながらみこしを担いで真冬の海に入る。
沼津市が指定する「ぬまづの宝100選」に認定されている恒例行事で、例年、成人式の季節に行われ、多くの参加者や見物客が集まる。祭りは江戸時代から行われていたが、沼津大空襲でみこしが焼け途絶えていたという。地元有志が2002(平成14)年に再興し、今年で24回目を迎えた。
今年の神男は県内外から20~60代の男性約20人が参加した。神男たちは「えんやーこーら、どっこいしょ」のかけ声とともに厳冬の駿河湾に勇ましい姿で入水(にゅうすい)。再び陸上に上がると、祭りの役員や参加者らから「祝い水」と呼ばれる冷水を浴びせられ、一年の無病息災を祈った。
参加者は「近所の人に『厳冬海中みそぎ祭り』に参加しないかと声をかけられ、厄年なので神男になろうと即決した。高校時代の野球部の同級生2人を誘って参加した」「思ったより海が冷たくて大変だった」と振り返る。
猿田彦神役を務めた男性は「大役を任せられたが、無事に終わってほっとした。世の中、騒がしい事や大変な事があるが、皆さんが健康で一年健やかに過ごせることを祈念したい」と話していた。