長泉町と静岡県による「ワークショップの丘」が11月1日、旧ヴァンジ彫刻庭園美術館やベルナール・ビュフェ美術館などから成るクレマチスの丘（長泉町東野）で行われた。

　旧ヴァンジ彫刻庭園美術館は、2024年2月に静岡県が民間事業者から譲渡され、県東部・伊豆地域の文化拠点の一つとなるよう準備しているなか、製本されるまでの本を「作る」工程や本に必要なものを「作る」体験ができる一日限りの「つくる本屋さん」になった。ワークショップの主な内容は、「森の草花と身近な素材で紙を作ってみよう」「ブックカバー＆ブックトートをデザインしよう」「紙を選んで製本してみよう」など。

　事業を企画した長泉町産業振興課の渡邉秀さんは「近年、全国的に書店の数が減っていて、長泉町も数年前から書店のない町になっている。多くの住民がアートに親しんだクレマチスの丘でイベントをやるなら、単なるマルシェイベントだけより、文化や芸術に触れる機会を作りたいと思っていたので、今回は本に触れる機会を作ることをテーマにした」と話し、「少しずつでも本に興味を持つ人が増えてくれたらうれしい」と期待を込める。

　「光でうつす植物写真」のワークショップに参加した小学生の杉山湊くんは「色・形が気に入った花や葉っぱを切って、それが写真みたいになるのが不思議で面白かった。芝生が気持ち良かったのでまた来たい」と話していた。