エビの釣り体験ができる施設「沼津シュリンプパーク」(沼津市下香貫)が4月5日にオープンする。
以前の干物工場で使っていたコンテナを水槽の中に入れ、エビの隠れ家にすることで脱皮時の共食いを防ぐという(関連画像5枚)
同施設は、干物工場として使われていた建物をリノベーションしたもので、敷地面積は約500平方メートル。施設内では、成長すると30センチ以上になる大型の淡水エビ「オニテナガエビ」の釣り体験や、その場で焼いて味わえる飲食サービスを提供する。
同施設を運営する「アクアハーベスト」社長の竹川徳雄さんは愛知県出身。大学卒業後、東京の重電機メーカーに勤務し、8年ほど前に沼津に転勤し昨年3月に退職。もともと釣りが趣味だったことから、水産分野での事業に関心を持ち、魚の養殖と野菜の水耕栽培を融合させた、サステナブルな次世代の循環型農業「アクアポニックス」に着目したという。同社の事業計画「地域水産資源再生プロジェクト~オニテナガエビによる沼津の未来づくり~」が2025年度静岡県産業振興財団の「地域創生起業支援金」の採択を受け、事業を立ち上げた。
「以前勤めていた会社の遊休社宅を活用して、アクアポニックスを導入する動きがあったが、自分は退職することとなったため、残る社員に託した。ボーッと過ごすのはもったいないと、何かスタートアップにチャレンジしたいと模索する中で、焼津のエビの釣り堀を知った。建設現場の足場工事を行う会社が、高所作業は高齢になると危険で従事できなくなるが、従業員に長く働いてもらうためにエビの釣り堀を始めたというエピソードに感銘を受け、自分もやってみたいと思うようになった」と話す。エビの養殖と観光をかけ合わせた施設として構想を練り、1年ほど前から準備を進めてきた。
施設には、直径3メートルの水槽3つと縦4メートル横2メートルの水槽2つを用意する。脱皮する時期の共食いを避けるため、干物工場で使っていたコンテナを水槽の中に入れ、エビの隠れ家を用意したという。釣り針に付ける餌は豚肉のハツを使用。「匂いが比較的少なく、ベトベトしないことから選んだ」と、利用客へも配慮する。
同社の手塚知義さんは「温度管理や水質管理、ろ過フィルターのこまめな掃除などに気をつけ、エビが健やかに育つようにしている」と話す。
施設2階ではレタスの水耕栽培も行う。竹川さん自ら海釣りした魚とレタスを使った「季節のフィッシュバーガー」も販売する。
竹川さんは「沼津港周辺を訪れる観光客はとても多いが、そのほとんどが飲食メインで、遊ぶ場所が少ないので滞在時間が短い。ここで遊びや体験を提供することで、滞在時間を延ばし、地域のにぎわいにつなげたい。日本ではエビの釣り堀はまだなじみが薄いが、東南アジアや台湾などでは街の至る所にあり、24時間営業している場所もある。子どもから大人まで楽しめる新たな観光スポットとして、多くの人に訪れてもらえたら」と話す。
営業は土曜・日曜・祝日の10時~18時。平日は予約制。エビ釣り料金=1時間2,000円(2尾まで。竿・餌込み)、焼き台セット=500円(1台)。