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修善寺の洋菓子店、42年の歴史に幕 看板娘「踊り子ペコちゃん」の行方は

修善寺の踊り子ペコちゃんと武士さん

修善寺の踊り子ペコちゃんと武士さん

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 伊豆箱根鉄道修善寺駅前にある不二家修善寺店(伊豆市柏久保)が6月14日、42年間の営業に幕を閉じる。

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 同店は1973(昭和49)年12月にオープン。同地ですし店や未揚げ物店を営んでいた、すし職人の武士(たけち)清光さんが開店したもの。伊豆地方では三島の次に歴史が古く、レストランの運営をも行っていることから、地元出身で現在は同店を営む武士尚美さんは「ハンバーグやパフェなど、地元住民にとって初めての体験が多く集まる場所だった」と話す。

 同店の閉店について、武士さんは「ここ20年ほどで、ファミリーレストランやコンビニ、大手スーパーの台頭により、洋菓子店でケーキを購入する客が減少し、それに応えるニーズが多様化してきた。チェーン店とはいえ、個人で展開する経営を見直すために閉店を決意した」と話す。

 同店はフランチャイズ店だが、自店舗でホイップクリームを作りケーキを作る。ショートケーキに使うイチゴは、旬の時期は地場産のイチゴを使うなど、他店舗との差別化も行ってきた。

 修善寺駅を42年間見守ってきた「看板娘」のペコちゃんも同店の名物。現在のペコちゃんは3代目で、毎日修善寺駅を利用する多くの乗降客を見つめてきた。

 ペコちゃんは常連客の提供で、小説「伊豆の踊子」をモチーフとした着物を着用。全国ではここだけのオリジナル衣装で、旅行客などにも愛され、記念撮影を行われるほど。観光客の対応だけでなく、多くの地元住民の送り迎えを見守り、同地域の看板娘の役割を果たしてきた。

 閉店に伴う看板娘の消失について武士さんは「不二家の屋号は閉じてしまうが、42年の長い間、修善寺の旅行客を出迎えた功労者。今後もペコちゃんには駅の歴史を見守ってほしい」と続投の意向を示す。

 今後について武士さんは「今後は現在駅で販売している駅弁を利用した、人が交流する施設を造ろうと考えている。引き続きペコちゃんに看板娘として活躍してもらえれば」と話す。

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