「駿陽荘(しゅんようそう) やま弥」(沼津市西浦)が10月10日、西浦産のミカンを使った「西浦みかんごはん」の今シーズンの提供を始めた。
「駿陽荘 やま弥」の「西浦みかんごはん」 = 沼津の飲食店、今年も「西浦みかんごはん」提供開始 今年で10年目
提供を始めたのは2016(平成28)年。今シーズンで提供10年目を迎える。秋の極早生(ごくわせ)ミカンから春先の「寿太郎みかん」のシーズンまで、ミカンの品種や時期に合わせて味わいを変えながら提供する。
「西浦みかんごはん」は、西浦産ミカンの果汁と皮、戸田塩を使って炊き上げるご飯。ミカンの香りが広がるメニューで、2021年9月には「沼津ブランド」に認定された。
今シーズンのスタートは、極早生ミカンを使った爽やかな味わい。若おかみの渡辺頼子さんは「シーズン初めはさっぱりとした味わいで始まる。まだ日中は暑さの残るこの時期にちょうど合っている」と話す。
10月から3月末にかけて、ミカンの品種や時期によって味や香りが変化していくのも特徴。渡辺さんは「始めは薄めのオレンジ色から、徐々に濃い色になっていくので、そうした変化も楽しんでほしい」と呼びかける。
提供を始めたきっかけは、地元の特産品であるミカンを生かした商品を作りたいと考えたこと。試作を重ね、ミカンの甘みが強く出すぎないよう果汁の配分を調整し、塩や皮を加えて味を調えた。当初は「寿太郎みかん」を使っていたが、提供期間を長くするため、2018(平成30)年からは極早生ミカンの出荷時期に合わせてスタートするようになった。
同店では、「鯛(たい)丼」などの食事と一緒に楽しむことができる。初めて注文する客も多く、ミカンの香りや意外な組み合わせが好評で、毎年この時期を楽しみに訪れる客もいるという。
渡辺さんは「小さなお子さまからご年配の方まで、『子どもが気に入っている』『みかんごはんがおいしい』と言ってくれる。毎年この時期を待っている方もいて、『この時期が来たね』と声をかけていただくのがうれしい」と話す。
地元の人たちに会食などで提供することもあるという。「正直、とても勇気がいるが、西浦がミカンの産地であることに誇りを持っている。みかんごはんを通じて、地域がつながっていると感じる瞬間」と笑顔を見せる。
食事をきっかけにミカンそのものにも関心を持ってもらえることも喜びの一つ。「帰りにミカンを買っていこうとか、目当てのミカンの時期にまた来ます、と言ってもらえる。地元の特産品を知ってもらい、地域の魅力を伝えるきっかけになれば」と期待を寄せる。
「西浦みかんごはん」の提供は土曜・日曜・月曜限定。価格は320円。丼の白米は170円増し、定食の白米は140円増しで変更できる。
営業時間は11時30分~14時30分。水曜、第1・3・5火曜定休。