熱海を中心に活躍をするNPO法人「atamista(アタミスタ)」(熱海市銀座町)とカフェやシェアハウスを運営するmachimori(同)は6月5日、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で募集した目標金額100万円を開始6日で達成した。
「アタミスタ」は「熱海を作る人、熱海をサポートする人」を意味する造語で、語源はイタリアサッカーのサポーター「インテリスタ」「ミラニスタ」から。NPO法人は2009年に設立した。
主な活動内容は、熱海に関係する情報発信とイベント企画で、体験交流プログラム「熱海温泉玉手箱(オンたま)」の開催や、熱海の暮らしと活動する人を紹介するフリーペーパー「あたみのつかいかた」などの刊行、商店街の遊休不動産を活用した「リノベーションスクール熱海」などを展開している。リノベーションした不動産は、関連企業の「mahimori(マチモリ)」(熱海市銀座町)がカフェ「CAFERoCA(カフェロカ)」として活用している。
同法人の代表理事で今回の企画を担当する市来広一郎さんは「熱海出身で、高校生のころからの熱海の衰退を見てきた。大学と仕事は東京を中心にいたが、熱海を盛り上げる活動をしたいと思い事業を行っている」と話す。
今回資金を募集しているプロジェクトは、熱海銀座商店街内にある店舗をリノベーションするもので、施設の名称は「guest house MARUYA(ゲストハウス・マルヤ)」とし、22部屋程度のカプセルホテル風の寝室を備え、宿泊費は4,000円以下を想定する。施設内にはリビングスペースを用意し、利用者と熱海住民との交流も図る。
同プロジェクトについて市来さんは「都会の暮らしとは異なるもう一つの日常を、熱海を舞台に暮らしてほしい。平日は東京で仕事を中心に行い、休日は熱海で暮らすような日常を持つ『2拠点居住』を推し進めるため。熱海地域の活性化を目指すにあたって、居住者を増やすのではなく、交流して関係する人を増やしていきたい」と話す。
同プロジェクトは5月31日、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で資金募集を呼び掛け、目標額の100万円は開始1週間を待たず達成。現在は目標額を400万円に再設定し、募集を行っている。集まった資金は同施設の工事費、コンテンツの開発費に充てられる。
早期のプロジェクト達成のコツに関して、市来さんは「今まで関係している多くの人々に事前に伝え、参加を呼び掛けた。今まで多くのアタミスタと関係してきた実績や期待だと思う」とも。
400万円の設定については、「金額でなく、1000人のアタミスタを集めてみたいと考えている。今回の事業を通して、より多くの人が熱海の魅力を知ってもらいたい。1000人のアタミスタが集まったら、ぜひ熱海でバーベキューやウォータースライダーなどのイベントにつなげていきたい」と話す。
クラウドファンディングの募集は6月28日11時まで。