熱海の老舗旅館「旅館立花」(熱海市昭和町)で11月15日、「伊豆で健康!かかりつけ湯ふじ33プログラム」のモニター体験が行われた。主催は静岡県ヘルスケア産業振興協議会。
同企画は、従来ある観光資源に健康の視点を取り入れたヘルスツーリズム開発の一環として行われたもの。内容は3人1組を基本として、県東部の「かかりつけ湯」に指定されている温泉宿で、各地に特化した運動プログラムと温泉体験・食事体験を行う。
同旅館で行われたのは、「芸妓(げいぎ)」体験プログラム。この日は、県東部から40代~60代の女性15人がモニターとして参加した。参加者たちは浴衣を着て扇子を持ちながら、この道30年以上のベテランで市内で活躍する芸妓の紗都美(さとみ)さんの指導を受けた。
1時間におよぶレッスンでは、芸妓行う準備運動から始まり、静岡県民謡として知られている「ちゃっきり節」に挑戦。会場では輪になり、紗都美さんの振り付けをまねながら踊り続けていくうちに、会場の温度も上昇。多くの参加者たちが芸妓踊りの運動量の多さに圧倒されていた。
講習を終え、紗都美さんは「芸妓踊りは腰の動きや所作がしっかりしていないと形にならない。腰を据えてブレずに動くのは、想像以上に難しいことで、よい運動にもなる」と話す。
また芸妓踊りの特徴について「体の中心に芯を持って生活しているか、姿勢は維持できている。自身は30年近く踊っているが、そのためか同窓会にいくと周囲の同級生よりも若く見られる」と笑顔を見せる。
今回芸妓踊りに参加した、三島市在住の星合淳子さんは「自身は水泳のインストラクターを行っていて、体力に自信があったが、今回の体験は普段と違う動きで、非常にいい運動になった。踊りを楽しみながら運動できるので、運動の辛さもなかった」と感想を述べた。
同企画の事務局を務める水口みどりさんは「2人組や1人のツアーとなると、途中で妥協してしまったり脱落したりする可能性がある。3人1組で行うことで、相乗効果を求めながら運動ができるというのもポイント」と話す。
今後について、水口さんは「現状のツアーと異なり、旅行会社だではなく、まず健康保険組合などをターゲットとして販売していきたい。福利厚生や予防治療の観点から、静岡の温泉の魅力をアピールしていければ」と意欲を見せる。