暮らす・働く

伊豆に子ども対応型パブリックスペース 個人宅倉庫改造して地域交流施設に

モリスベースをせつりつした高木さん

モリスベースをせつりつした高木さん

  • 0

  •  

 JR御殿場線「長泉なめり」駅前に11月7日、パブリックスペース「moris base(=モリスベース)」(長泉町納米里)がオープンした。

[広告]

 同施設は元金型工場を改装し、約60畳の土間スペースを中心に8畳のキッズルーム、トイレ、収納を完備するレンタルスペース。室内には大型モニターやテーブルなどを用意。キッズルームには子どもたちが遊ぶ遊具を用意し、子どもたちが飽きない工夫も施す。

 同施設オーナーの高木有加さんは静岡県の職員として2年間、出向で長泉を担当。結婚を機に夫婦で長泉観光交流協会メンバーとしてまちづくりに関わるなど、まちづくり活動に参加した。

 高木さんは「出産を機に子連れで活動するようになったが、子どもたちと一緒に活動する場所が少なく活動が制限されることが多かった。子どもたちが自由に遊び回れるレンタルスペースがあれば、自分だけでなく多くの人も活動するっきっかけになればと思った」と開設のきっかけについて話す。

 施設名は「街の中だけど森の中にいるような気持ちになってほしい」(高木さん)という思いを込めて命名。子どもたちに何かとお金のかかる母親にできるだけ安く活動できる場所を提供したいと、3時間200円で貸し出すことを決めた。

 スペースの壁一面には、沼津市でイラストレーターとして活躍するヘレーンまきさんによる大きなツリーが描かれ、そこに、ワークショップで子どもが描いたさまざまな葉があしらわれている。森の中をイメージしたという大きな木を描き、「子どもが自由に遊べる」空間に仕上げた。

 「子どもが楽しめて、ママも安心しながら活動できる場所にしたい」と高木さん。自身「小さいころから両親が共働きだった。住んでいた団地では同じような家族同士で話し合い、4・5軒でお金を出し合って大学生を雇い勉強会を開いてくれたりしていた。地域のコミュニティーに助けられながら成長するのは楽しかった」と振り返る。

 高木さんは、そうした幼少期の経験から「今後は地域の高齢者たちが集まるスペースを作り、両親だけでなく、地域で関わる多様な大人の中で子どもたちを育てていきたい。現状の公共施設における不自由をこの場所で解消し、地域のコミュニティーが育つ土壌を作り、地域を活性化させる秘密基地となれば」と意欲を見せる。

 開設時間は9時~21時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース