伊豆・湯ヶ島にある温泉旅館「水のみち風のみち 湯ヶ島たつた」(伊豆市湯ケ島、TEL 0558-85-0511)で3月10日、イベント「じびキャン」が開催された。
2月から試験的に行われている同イベントは今回で6回目。イベントでは、館内各所にシカのはく製を設け、ミステリーツアーを展開。はく製の元には難解なクイズを置き、全ての謎を解くとドリンクサービス券を進呈する。
メーンイベントとして夕食時、伊豆原産のブランドシカ肉「イズシカ」を利用した料理を提供。料理はイズシカを取り扱う大地讃頌(伊豆市下船原)社長の山本博行さん自らプレートで調理し、イズシカのローストを参加者の目の前で振る舞う。
イズシカの特徴について、山本さんは「通常のシカ肉だと筋が強く生臭いというイメージが強い。近年は専用の施設で10日ほど熟成させ、肉の柔らかさや甘み、そして安全性が上がってきた。シカ肉の魅力を旅行者だけでなく多くの人に知ってもらいたい」と目的を話す。
イベントに参加した地元の主婦グループの一人は「地元の人でも調理しづらく、凍らせて刺し身で食べるくらいしか使い方がないと思っていた。今回の料理を食べてこんなにおいしいとは思わなかった。長年近くに住んでいるが初めての体験」と振り返る。
同旅館の支配人、山田大介さんは「シカブランドというとエゾシカなどは有名だが、伊豆のシカの知名度は低く、地域の名産品とのコラボレーションを行いたかった。肉の魅力はもちろん、シカの実際の姿も見てもらえれば。今後も同様のコラボを行えるよう考えている」と話す。