読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん(80)が5月4日、「読売巨人軍 長嶋茂雄ロード」(伊豆の国市大仁)などを訪問した。
長嶋さんが現役時代に大仁ホテル(同)にある離れ「富士の間」を宿泊所を中心に行った自主トレーニング「大仁の山ごもり」の場として知られている同所。長嶋さんは1967(昭和42)年から同所でトレーニングを行い、1974(昭和49)年の現役引退まで同所でトレーニングを行った。
長嶋さんが同所を訪れたのは、今年3月に伊豆箱根駿豆線大仁駅と狩野川堤防に記念碑が完成したことがきっかけ。同企画を担当した「おもてなし・ふるさと再発見大仁」実行委員会の平井利之さんは「巨人軍や長嶋さんサイドと何度も調整してつくったものだが、4月末から長嶋さん側から『お礼が言いたい』とのことで今回の企画が実現した。突然の訪問でびっくりした」と話す。
早朝までの雨がやみ、晴天に恵まれた大仁駅には、長嶋さんを出迎えるため約700人の地元住民が集まった。集まった一人で同市在住の40代男性は「自分の小さいころからの憧れ。まさか本物の長嶋さんに会えるとは。神様以上の存在に会うと思っている」と興奮を隠し切れない。
11時10分ごろに大仁駅に現れた長嶋さんは、多くの人から43年ぶりに「お帰り」の声援に笑顔で応えた。車を降りた長嶋さんは駅前にあるモニュメントに歩を進め、43年ぶりの街の風景について説明を受けた。
その後、長嶋さんは富士の間を訪れ、昼食を挟んだ後、「長嶋茂雄ランニングロード」のモニュメントで記念撮影。地元少年野球チームのメンバーらとの交流も行った。
長嶋さんについて、平井さんは「親しみやすい雰囲気があり、ファンとの交流も積極的な人で感動した」と振り返り、今後は「10月に行う野球教室にも、ぜひ少年たちの指導に来てもらえれば」と再訪問に期待を寄せる。