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修善寺のベアードビール新工場が稼働-地域生産者との6次産業化目指す

蒸留所でできたビールをタップルームで楽しむベアード夫妻

蒸留所でできたビールをタップルームで楽しむベアード夫妻

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 ベアードブルーイング(伊豆市大平)が6月1日、新工場「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」の稼働を始めた。

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 「ベアードビール」ブランドで2001年から沼津で創業した同社。同社社長のブライアン・ベアードさん、さゆり夫妻が立ち上げ、当初は1日30リットルの製造を行い、タップルームでビールの販売を開始。ビールはその後ビールの味が評判となり、沼津工場を増設し現在では国内に5カ所の直営タップルームを運。国内のみならずアメリカなど、海外8カ国への輸出を行っている。

 今回の新工場は、以前キャンプ場だった約6000平方メートルを取得し、総床面積2400平方メートルの新工場には最新型の大型設備を投入。ビールの製造・醸造はコンピューターによるオートメーション化を導入し、将来的には年間6000キロリットルの製造を目指す。同生産量は日本人の年間平均ビール摂取量(43.5リットル)の約14万人分に匹敵するという。

 同工場のコンピューター導入についてベアードさんは「大量生産できるからベアードの味や品質が下がると思われるがコンピューター導入はその逆。より正確にレシピどおりの配合を行い、温度や品質の管理を徹底するため。その徹底するためには、人の感覚を頼りにするのではなく、数字で管理するほうがより正確なビールの味が作られる」と話す。

 ベアードビールの特徴は素材由来の香り。ベアードさんは「添加剤やガスなどを使わず伝統のビール製法を行っている。ベアードのビールは2次発酵を瓶の中で行うことで、生きた酵母の力を使っている。だから、瓶の中で微妙な味の変化がある」とも。ブライアンさんは「統一性のある味を作るのを目指すのではなく、『ベアードビールはいつ飲んでもおいしい』という一貫性を持った商品作りを行っている」と話す。

 同工場で生産されたビールは併設されたタップルームで飲むことができる。タップルームでは定番12種のビールのほか、季節や毎月限定のビールも楽しむことができる。

 ブライアントさんと一緒に同社を経営する妻のさゆりさんは「移転までの準備期間が掛かってしまい、まだ全てのビールを提供できていないが、今後は多くの人たちにビールを楽しんでもらえる場にしていきたい。施設内にキャンプ場など宿泊できるスペースも作ってみたい」と話す。

 今後は地元農家と一緒にホップや麦芽、フレーバーとなる果実を作りながら、ビールを中心とした6次産業化を目指す同社。さゆりさんは「まず敷地内にホップ農園を作り、無農薬で自ら造りつつ、地元農家の人々との協力体制を作っていきたい。全ての品目を自給するのは難しいが、全てここで生産されたものでビールを造ってみたい」と話す。

 タップルームの営業時間は、月曜~金曜=12時~19時、土曜・日曜・祝日=11時~20時。7月からは土日限定で工場見学コースも用意する。

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