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河津町のカーネーション農家、出荷大詰め 20品目で母の日彩る

カーネーションの出荷風景。つぼみの開き具合によって選別される

カーネーションの出荷風景。つぼみの開き具合によって選別される

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 伊豆・河津町のカーネーション農家が5月11日、母の日を目前に出荷の最盛期を迎えている。

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 同地区のカーネーションは、主に都心向けに出荷されていて、母の日を14日に控えるこの日、都心への出荷がピークを迎える。

 カーネーション農家を46年営む吉田園芸店(同)は、家族3人とパート1人で出荷作業を進める。同店は市場や電話による個別発送、店頭での販売で年間40万本のカーネーションを育てる。都心の生花店に送るものは、おおよそ3日ほどの余裕を見てつぼみで出荷。母の日に花を大きく咲かすための工夫もしている。

 同店店主の吉田重好さん(66)は「カーネーションは前年の6月に鉢植えを行い、2月のカワヅザクラで観光客が訪れるころに販売を開始する。20品目のカーネーションを取り扱っていて、年間3~4種の品目を変更する」と話す。

 近年のカーネーションについて「昔は赤・白・ピンクの3種がメインだったが、近年では深紅や蛍光色なども。ここ10年ほど、海外の品種が多く入ったことや、若年層の幅広いニーズに応えるなど、多彩な顔ぶれになっている」と傾向について話す。

 同地区のカーネーションは60年ほど前から、農業指導によって広がったもので、最盛期には同地区に60軒ものカーネーション農家が存在。現在は外国産のカーネーションの台頭や後継者不足が原因で10軒ほどに減少し、後継者がいるのは吉田さんの農家のみという。

 吉田さんは「花を育てるのはとてもデリケートな仕事。台風が通過するときは心配で夜も眠れない。しかし、11月くらいになり、鉢が成長するころには毎回『育て上げた』実感を覚えるのがこの仕事の醍醐味(だいごみ)。家族全員で協議しながら次の品種を選ぶのも楽しい」とカーネーション農家の喜びについても明かす。

 今後について「カーネーションを育てる魅力を伝え、後継者になる人材を育成したい。花を育てる喜びを多くの人と分かち合いたい」とも。

 営業時間は9時~16時30分。母の日まで休まず営業する。

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