福岡県出身の小林ひかりさんが現在、自分の泳力のみで日本の海岸線を旅する「泳いで旅する!フリッパー日本一周」に挑戦している
小林さんが始めた挑戦は、フィン、ゴーグル、シュノーケリングの3点を使う「フリッパー」スタイルで日本一周を目指すもの。7月3日に伊豆海洋公園(伊東市)をスタートし、28日現在、沼津市大瀬崎付近まで進んでいる。
小林さんが20キロ近い荷物を入れて持ち運ぶ防水バッグは、時には浮き輪になったり、自身の位置を知らせる目印になったりする。陸上では重い荷物も、海の上では浮かび、小林さんの旅の唯一の「帯同者」として活躍している。
小林さんは「1日10キロ泳げればいい方で、波の状況で進み具合が変わる。状況によっては数日泳げないこともある」と話す。記録しているデータから、これまで120キロ以上は泳いでいるという。
現在26歳の小林さんは専門学校卒業後、伊豆に移住し、伊東の飲食店に勤務しながら、ダイビングの魅力を知ったという。「運動は得意ではなかったが、スイミング教室に通っていたこともあり、水泳は得意」と話す。
小林さんによると、3年ほど前、近隣のプールに通うため使っていた原付バイクでどこまで行けるのだろうと興味をもったことをきっかけに、1カ月かけて伊豆から北海道、日本海経由で福岡に里帰りする約5000キロの旅を行い、翌年にはクロスバイクで北海道一周の旅を行ったという。
小林さんは「日本には美しい場所があり、その場所でその時にしか会えない人たちに出会い、支えてもらった」と振り返る。「自分でも好奇心旺盛な方だと思う。歩いて日本一周した人は多くいる。自分は何ができるか考えた結果、フリッパーでの旅を考えた」とも。
「スタートから約3週間が過ぎ、多くの人との出会いがあった。道の駅の駅長さんや、松崎や戸田で会った人たちと交流できた。波が荒れて海に出られない日は仕事の手伝いなどをさせてもらい、多くの経験を積むことができた」と小林さん。
今回の旅行は「海か財布が冷えつくまで」と設定し、日本一周はいつまでに達成するという目標は定めていないという。「楽天家というのもある。(期限を)設定してしまうと、旅に焦りが出てしまう。大きな目標としては40歳までに一周できれば」と笑顔を見せる。
「この先も多くの人に出会い、旅の経験を積んでいきたい。好奇心旺盛のまま旅を続けていきたい」と目を輝かせる。