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三島・佐野美術館で「横山大観」展 「大気」「富士」テーマに大観の葛藤追う

代表作「秋色」の前に立つ学芸員の河内さん

代表作「秋色」の前に立つ学芸員の河内さん

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 佐野美術館(三島市中田町、TEL 055-975-7278)で10月1日から、企画展「横山大観 大気を描く」が開催される。

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 同展は同館創立50周年、三島市制75周年を記念して企画されたもので、横山大観の代表作「秋色」をはじめ作品60点を展示する。

 横山大観は、1868年生まれの日本を代表する画家の一人として知られ、今日の絵画技法の一つであり、日本独特の湿潤を表現した技法「朦朧(もうろう)体」という線描を抑えた独特の没線描法を確立したことでも知られる。大観は富士山をモチーフとした作品を多く発表したとされ、その数は2000点ほど確認されている。

 今回の展示では、大観の「大気」と「富士」をテーマにした作品を選んで展示。「大気」を取り扱うコーナーでは、大観の代表的な技法である朦朧体を代表する作品を展示。時系列に沿った展示作品からは大観の作品に対する遍歴がうかがえる。

 同展を担当した同館学芸員の河内えり子さんは「大観は戦後熱海に住んでいたこともあり、伊豆との親和性は高い。本企画の構想は10年以上前からあったもの」と話す。

 今回展示する大観の作品について、「明治から昭和まで研究と制作を続けてきた画家。作品の遍歴を見てもらえると、大観という画家がどのように葛藤してきたかが分かる。多く残した富士の絵画にしても、若々しい30代から晩年までと幅広く展示している。特に富士に関しては、県内ではゆかりのある作品を多く展示している」と河内さん。

 期間中、担当学芸員によるギャラリートークやミニびょうぶを作るワークショップ、小中学生を対象とした風景画の体験講座なども予定。

 河内さんは「大観をよく知る人たちから、名前も聞いたことのない人まで、幅広い年齢層に来場してもらいたい。大観の作り出す世界を、それぞれの立場で感じてもらえれば」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。入場料は、大人・大学生=1,000円、小中高生=500円。月曜休館。

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