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伊豆・松崎町で「桑の葉」収穫 健康ブーム後押しで地域活性化

桑の葉を収穫し、葉を摘み取るスタッフたち

桑の葉を収穫し、葉を摘み取るスタッフたち

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 松崎町の企業組合「松崎桑葉ファーム」(松崎町松崎)で現在、桑の葉が収穫最盛期を迎えている。

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 同組合は、松崎町にある民宿業を営むメンバーらが中心となり、桑の葉からお茶を作り、粉末状にしたスティックを販売している。収穫は7月と9月に行い、従業員約20人で茶葉の製造を行っている。

 桑の葉栽培事業を始めたきっかけについて、同組合の斉藤省一代表理事は「松崎町は観光業が盛んな土地で、多くの住民が観光業に従事しているが、リーマンショックや東日本大震災をきっかけに観光客が激減し、次の産業として桑の葉栽培を考えた」と話す。

 大正から昭和初期にかけて、松崎町は養蚕が盛んだったことから、桑の葉の栽培も多く行われていた。斉藤さんは「地域の歴史に根ざしたストーリーのある産物を作りたかった。松崎だからこそできる名物として桑の葉を選んだ」と話す。

 6次産業は2013年から取り組みを始め、茶葉を粉末状に加工したスティックを中心に製造・販売を行ってきた。「当初は少ない人数で活動していたが、地域の旅館やホテルなどでウエルカムドリンクとして利用してくれるなど、協力してくれる施設が増えた。近年では健康ブームで桑の茶が注目され、より声が掛かっている」と話す。

 組合の従業員は、地元の高齢者などを中心に雇用し地域経済活性の一翼を担っている。昨年は自動車工場跡を製茶工場に改修し、より多くの生産を目指している。

 この日は地域の特別支援学校の生徒ら5人が桑の葉の収穫を合同で行うなど、地域住民との連携も行っている。

 斉藤さんは「松崎の土地で、元気な人が積極的に働ける環境を作り、元気で活躍する長寿の町になれば」と話す。

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