三島市のさんしんギャラリー善(三島市芝本町,TEL 055-991-0034)で現在、「創作家具 近藤正樹展」が開催されている。
2008年に独立した家具作家・近藤正樹さんが、丹那に自身の工房「kannami-labo」(函南町丹那)を構えてから現在までの代表作22作品を展示する。近藤さんにとって地元では初の本格的な展覧会となる。
近藤さんの作品は、さまざまな種類の天然木の木目や色をそのまま生かし、木材を加熱して曲線を作る曲木の技術や、木材から必要な形を削り出す技術などが用いられている。木材が本来持つ滑らかな木の触り心地と、細く軽やかな曲線のラインを生かし、動物や植物をモチーフにした、一点一点が芸術作品のような家具が特長という。
会場には、背もたれの先が羊の角の形をした椅子や、背もたれ全体がコブラがとぐろを巻く姿になっている椅子、幾何学的な形を組み合わせて自由な形をつくれるテーブルなどを展示。展示中の椅子は実際に座って体験することができる。
近藤さんは今回の展示会について、「独立して6年がたったが、今回初めて作品を見てもらえるお客さんが多い。『オブジェとして使うのですか?』と聞かれることもあるが、実際に座って、座り心地のよさも感じてもらいたい」と話す。
会場を訪れた長泉町在住の50代の女性は「デザイン性の高さや独特のフォームに驚いた。ロッキングチェアの座り心地がよかった」と話し、椅子の座り心地を確かめていた。
さんしんギャラリー善スタッフの寺門朋恵さんは「地元の優秀な作家を取り上げるこのギャラリーで、家具作家を取り上げるのは2回目。作品とお客さんが近く、楽しんでもらえる空間になったのではないか」と展覧会の雰囲気について話した。
展覧会は10時~18時。木曜休館。入館無料。25日まで。