地場産のアジをメーンとした飲食施設「いけすや」が5月16日、沼津市内浦小海にオープンする。
同地域ではマアジの養殖が盛んに行われていて、漁獲高は日本で1位を誇る。しかしながら、その漁獲高は年々減少傾向にあり、鮮度の高いアジなどのアピールと活用法の提供のため、同施設の運営を決めた。
同施設では、飲食スペースを用意し、養殖されたマアジをいけすから揚げた直後に調理して提供する。メニューは地元の漁師料理を生かしたものや、新鮮なアジフライなど。漁船に乗っていけすを回る体験ツアーなども行う予定。
同施設は内浦漁協が直接運営し、スタッフは漁業経験者を夫に持つ妻や、地元出身で魚のさばき方や調理法に詳しい、身近に魚と親しんできた7人がメーン。施設のさらなる認知度向上を目的に、「いけす」にちなんで「チームIKS」として活動する。
コンセプトについて、漁協の職員でプロデューサーの土屋真美さんは「平均年齢は57.7歳と、日本の有名なアイドルグループよりも40歳以上も上。コンセプトは、相談に乗ってくれる『会いにいけるお母さん』。料理だけではなく、家族や介護、嫁姑(しゅうとめ)問題の相談にも乗れる」と人生経験の豊富さをアピールする。
現在はオープン準備として、制服や新メニューの開発・オペレーションの問題解決を行っているチームIKS。チームリーダーで社交ダンス経験のある日吉幸子さん(67)は、「自分は若いころからアジの食べ方を学んできたが、この店をきっかけに多くの人に新鮮なアジの魅力を知ってもらえれば。若いアイドルグループとは異なるサービスで、また会いに来てくれる顧客を増やしたい」と話す。