
誠恵高校(沼津市沼北町)2年生の高山優衣さんと岸絵里菜さんが「第53回公募全陶展」と「第16回美術工芸甲子園」に入賞し、2月19日、沼津市役所を訪れ奥村篤教育長を表敬訪問した。
1950(昭和25)年創立の同校は「普通コース」「進学コース」「情報処理コース」「芸術コース」の4コースがあり、芸術コースは、2年生からデザイン専攻・絵画専攻・陶芸専攻に分かれ、専門性を高めた授業を行っている。同校には陶芸用のガス窯と電気窯があり、ガス窯は縦・横・高さ1メートルで、高校に設置されるの窯としては珍しい大きさだという。陶芸部では週2回、富士宮市在住のプロ陶芸家・小割哲也さんが個別指導も行っている。
「第53回公募全陶展」では高山優衣さんの「行方」が金子賢治賞、岸絵里菜さんの「深碧」が新人賞を、それぞれ受賞した。「第16回美術工芸甲子園」では高山優衣さんの「経過」が1位に当たる大賞を受賞した。美術工芸甲子園で同校は5年連続入賞しており、金子賢治賞を2年連続受賞している。
陶芸部の木下佳也教諭は「有田焼や信楽焼などで有名な場所ではない沼津で、どうしてこんな作品ができるのかと問い合わせが来ることもある。プロは同じ作品を何個も作った中から選んで出品するが、生徒たちはこれが割れてしまったら終わりという状況で作品を制作している。水分などの管理も大切で、夏の暑い日にはタオルに水を含ませて作品にかぶせるなど、陶芸作品を子どものように手をかけている」と話す。
岸さんは「2年生で陶芸の世界に入り、初めて作った作品で大きな賞を頂けてびっくりした。夏休みも制作し、4カ月ほどかけて作り上げた。壁にぶつかることもあったが、先生方のサポートのおかげで壁を乗り越えられた。大きな成長ができたと思う」と振り返る。
高山さんは「多くの美術作品でリンゴがモチーフにされているのを見て、リンゴにしかないシンプルなかっこよさや魅力を感じていた。同じ果物でも、話によって込められた意味や象徴するものが違うところに奥深さを感じている。来年出品する作品として、直径45センチのリンゴの制作にも取り組んでいる。今後の夢や目標など、まだはっきりしたものはないが、どんな形であれ美術や陶芸に携わっていきたい」と意欲を見せる。