
三島市川原ケ谷の国道1号沿いに並ぶ箱根松並木で3月5日、春の風物詩「こも外し」が行われた。
全長約1キロに及ぶ箱根松並木は、江戸幕府が1605年の東海道大改修の際に植えたのが起源とされている。太平洋戦争で多くの松の木が燃料として伐採されたが、その後、補植された松を含め現在は274本ある。こも巻きは、松の枯死防止を目的に1970(昭和45)年から毎年、「立冬の日」に行い、こも外しは毎年、啓蟄(けいちつ)に行っている。対象は幹の直径が35センチ以上ある約210本。
同日、冷たい雨が降る中、市内の造園業者から成る三島環境緑化研究会の5人がこも外しの作業に当たった。
同会の加々見勝八郎会長は「雨だと、こもの中の虫は逃げないが、こもが重く大変な作業。今年は雨が多く、虫が少なかった、松の色が青々としていてきれい。松のためには今年は良かった」と振り返る。
「2、3日前は暖かく春の陽気だったが、昨日は雪が降り、寒暖差が激しい。半袖になったり、ジャンパーを着たりして人間も大変だが木も大変だと思う。4年ほど前にはマツノマダラカミキリが大発生して、17本の松が枯れてしまったことがある。春がやって来るが、これからも松を見守り、保全に務めていきたい」とも。