
高アルコールクラフトビール「ヘブンズドア」が4月15日、クラフトビール醸造所「リパブリュー」(沼津市大手町)と「反射炉ビヤ」(伊豆の国市中)で発売された。同じブランドを共有しながら、両醸造所のビールは仕様が異なる。
リパブリュー社長の畑翔麻さんと反射炉ビヤ醸造長の山田隼平さんは「これから温かくなる季節に向け、各地のビールイベントで、殺伐とした日常を忘れ、クラフトビールに思う存分酔いしれる企画を行おうとプロジェクトを立ち上げた。「静岡の地で切磋琢磨(せっさたくま)し、互いにクラフトビールをさらに盛り上げていこうという思いの下、両ブルワリーで技術交換しながら、それぞれビールを造り、お客さまにより一層楽しんでほしいと考えた」という。
一般的なビールのアルコール度数は5%前後。アメリカ企業が開発したアルコール耐性の強い酵母菌と、通常の約5倍の麦芽を使って高い度数のクラフトビールを製造した。
リパブリューは、アルコール度数24.5%の「ウエストコーストIPA」。褐色で「カルバドスやブランデーを思わせるような香りが特徴」だという。畑さんは「口に含むと柔らかい炭酸の刺激とアルコール感が熱を持ったかのように口に広がる。リンゴやレーズン、洋梨を思わせる味わいと、ホップのタンジェリンオレンジを思わせる風味が鼻を抜け、最後、喉を通った後も胃にたどり着くまでその存在感を主張する」と話す。
反射炉ビヤは、アルコール度数19.5%の黒ビール「ブラックIPA」。輝きのある黒色で、「グレープフルーツやマーマレードなどのかんきつ系と、麦芽由来のクッキーのような香りが特徴」だという。山田さんは「口に含むと、香りでも感じたホップの風味が力強く感じられる。高アルコール由来の甘みに加え、ホップの苦みもじっくりと楽しめる。高アルコールで濃度の高いビールなので、ホップのアロマや苦みを付加する工程が普段より手間がかかったが、使用量を多くし、ゆっくりと時間をかけて丁寧に仕上げた」と話す。
山田さんは「ここまでの高アルコールビールを大々的に販売するのは初めての経験だが、静岡クラフトビール共同組合のイベントでもこれまで9%ほどの高アルコールのビールは杯数も多く出ていて人気がある印象」と話す。
価格は、リパブリュー(350ミリ缶)=3,300円、反射炉ビヤ(330ミリ瓶)=2,800円。各100本限定。ECサイトで扱うほか、各醸造所が経営する店舗でも販売する。