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三島「ヘアーサロンせがわ」に1年ぶり「新作」 看板絵描き続けて32年

テニスの大坂なおみ選手・錦織圭選手と瀬川さん

テニスの大坂なおみ選手・錦織圭選手と瀬川さん

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理髪店「ヘアーサロンせがわ」(三島市中島)の壁に現在、1年ぶりとなる看板絵の「新作」が描かれている。

 同店は1972(昭和47)年に開業。店主の瀬川房子さんは父親を戦争で亡くし、女手一つで育てられた。1968(昭和43)年に結婚し子どもが小学校に上がる際、「子どもが帰って来た時に母親として家にいてあげたい」と思いから理髪店の仕事を選んだという。

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 店の壁には以前からゴルゴ13のデューク東郷や日本エレキテル連合の2人などの似顔絵などの絵が描かれている。きっかけは、創業時に店のブロック塀に客が車をぶつけてはいけないと前に看板を設置したことから。瀬川さんはもともと絵を描くのが好きで当初は看板に風景画を描いていたが、「景色ではつまらない」との客の声を受け似顔絵を描くようになったという。

 「大相撲ファンで、最初は曙や小錦の似顔絵を描いた」と瀬川さん。絵は2~3カ月に1回のペースで描き変え、大坂なおみや錦織圭などの日本人テニス選手やお笑い芸人、アニメの主人公など話題の人物を描いている。

 瀬川さんの一日は、5時に畑仕事を行った後、7時から朝食の準備、8時から19時まで店に立ち、仕事の合間に草むしりなどを行っているという。ベニヤ板で作った看板は家に持ち帰り一晩で絵を仕上げ、取り外せない看板は、天気の良い日に仕事の合間をぬって少しずつ仕上げているという。過去に描いたプロゴルファー・石川遼さんの似顔絵看板は現在、畑の柵に活用している。

 来店客からのリクエストに応え色紙に絵を描いてプレゼントすることもあるという。瀬川さんは約1年間、腰を悪くしたことで看板の絵が更新できなかったというが、1カ月ほど前から新作の制作に取り組み始めた。「孫から描いてほしいとリクエストをもらった。来年の年賀状は『鬼滅の刃』の絵を描こうかと考えている」と瀬川さん。1年ぶりに描いた新作のモチーフは「鬼滅の刃」。登場人物などの絵が行き交う人々の目を楽しませている。

 瀬川さんは「地元の中学生5~6人が店に寄って看板を見ていったり、『あの絵は消さないで』と手紙が届いたりすることもある。オリンピックが始まったら、優勝した選手を描いたり、その時ごと流行に合わせたりして絵を描き、みんなに喜んでもらいたい」と笑顔を見せる。