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沼津出身の宇佐見りんさんが芥川賞 地元図書館では「1年待ち」も

特設コーナーを前にする、尾和館長と堀井さん

特設コーナーを前にする、尾和館長と堀井さん

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 第164回芥川賞に宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」が1月20日決定し、出身地である沼津でも話題となっている。

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 今回受賞した宇佐見さんは、沼津市の出身で2歳まで在住していた。市内では宇佐見さんの受賞を受け、書店を中心に特設コーナーの設置など売り場作りを行っている。

 沼津市立図書館では、同書を5冊貸し出し対象としていて、1月29日現在の貸し出し予約数は160を上回る勢い。同館の尾和富美代館長は「2週間の貸出期間があるので、全部の希望者の手に届くのは、およそ1年以上かかる計算。ハリーポッターなどの児童書などはあったが、文芸書でこの予約数は珍しい」と驚いている。

 同館では宇佐見さんのインタビュー記事やデビュー作「かか」の掲載のあった「文藝(ぶんげい)」の展示などを行っている。

 特設コーナーを担当した職員の堀井綾加さんは、同書に関して「推し、という言語化が難しい状況を分かりやすい文体で表現している。同世代の人間にフィットした文章で共感が多い」と感想を話し、「コーナーの設置により、普段は小説を読まない人にも興味を持ってほしい」と期待を寄せる。

 図書館に訪れた60代の男性は「普段は実用書などを中心に読む機会が多いが、地元にこういう話題があると読みたいと思う。世代を超えた文学の冒険のきっかけになる」と話した。

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