母親向け防災講座「災害時の健康管理と食事」が6月25日、パブリックスペース「morisbase」(長泉町納米里)で行われた。
同講座は、子どもを持つ母親向けに開催されたもので、当日は長泉町周辺の10人ほどの女性が参加し、講師の高良綾乃さんの講義に耳を傾けた。
今回の講師・高良綾乃さんは、三島市在住の食育指導士でふじのくに防災士。自身の母親としての経験から「ママ防災アドバイザー」として、防災アドバイスのほかテレビ番組でのコメンテーターとしても活躍している。
高良さんは講義で、災害発生後のタイミングごとに必要な食材と気をつけたいことを説明。特に発生から72時間以降1週間ほどの食事について「非日常的でなく、日常の延長にあるものを工夫」する大切さを伝えた。日常的に備え、賞味期限前に家庭で消費する「ローリングストック」の方法や子どもや自身でもできるストレス発散法についても話した。
ストレス発散法を高良さんは「私自身は好きな香りをミストにして、車の運転などイライラするときに対応できるよう小瓶に常備している。どこでもできる小さなストレッチなどもお薦め。自分で簡単にできるストレス解消法を見付け、生活を日常に近付けていくのが長い非常時を乗り切るコツだ」と話した。
講演を終えて高良さんは「地震や火災、水害などへの対処法はそれぞれあるが、まずは自分の心と体の安全が大事。心と体はリンクしている。その思いが伝わったと思う」と振り返り、今月3日に発生した熱海の土石流については「マスクや作業用ゴーグルなど泥の排除にも予想以上の装備が必要。プロの指導のもと、ボランティア保険に加入しておくなど現地の負担にならない準備をして待ってもらえれば」とアドバイスした。