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伊豆のホテル3社が「おもてなし人交流事業」 人材交流で、ノウハウとサービスをシェア

契約式を行った3社長

契約式を行った3社長

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「みしまプラザホテル」(三島市本町)と「伊豆稲取赤尾ホテル」(東伊豆町稲取)、「稲取銀水荘」(東伊豆町稲取)の3社による「おもてなし人(びと)交流事業」契約締結式が7月22日、「みしまプラザホテル」で行われた。

3社による契約の様子

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 同事業は、伊豆地域の雇用の確保や、ホテル従業員のスキルやサービスの向上を目的に、同業者間の情報共有や相互協力を行うもので、この夏をめどにスタッフの人材交流を行う。期間は2週間から1カ月ほどを想定し、希望する社員が、雇用契約を維持したまま出向する。ホテルのスタッフ間による人材交流の契約は全国的にも珍しく、静岡県では初の事例となる。

 みしまプラザホテルの室伏太郎社長は「伊豆の観光ホテルや旅館は7、8月の夏休み時期が繁忙期で、9、10月が閑散期となる一方、ウエディングやパーティーがメインの当社は7、8月が閑散期で9、10月が繁忙期になることから、それぞれの職場に出向し、勤務することで人材のバランスを仲間内で解決していきたい。経営者同士の繋がりが大切で、繋がりがあってこその事業」と話す。

 伊豆稲取赤尾ホテルの赤尾恵太郎社長は「繁忙期の人材を確保するため、配膳人材サービスや短期のアルバイトを雇用していたが、毎年積み重ねたノウハウが全てリセットになる。個人で契約するのには年間を通してのコストが発生し、旅館業を営む側として人材問題は長年の課題だった」と話す。

 今回の契約締結について、銀水荘の加藤晃太社長は「ウエディングやパーティーは対大勢であり、旅館ホテル業は対個人、赤尾ホテルは家族向けで、当社は個人利用が多い。お互いの環境で培ったノウハウは今まで自社で囲い込みだったが、今後の取り組みを通じてノウハウをシェアしていき、伊豆全体のおもてなしの底上げを図りたい」と話す。

 今後について室伏社長は「コロナ禍での締結で、雇用を守る面でもこの事業の意義や重要性を強く感じている。人と人、社員と社員、企業と企業の繋がりをより強固にしながら、アフターコロナにおいても地域経済の成長に貢献し、『おもてなし人交流事業』参加企業の拡大や、業種の拡大もしていきたい」と意欲を見せる。

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