長泉町にある美術館「ヴァンジ彫刻庭園美術館」(東野)が4月28日、設立20周年を迎えた。
イタリアの彫刻家であるジュリアーノ・ヴァンジの彫刻を中心に展示されている同美術館は2002(平成14)年に開館。同館にはヴァンジの1960年代から近年の作品がコレクションされていて、屋外展示では季節ごとの花を咲かせる庭園との調和が人気。静岡県外からも多くの来館者を集めている。
4月23日から、開館20周年記念展として「Flower of Life 生命の花」を開催。これまで展示されてきた作品のほか、記念展のために制作された作品を含む39の作家たちの作品が並ぶ。
初日は、大道芸やイラストレーターなど8人のパフォーミングアート集団「スケラボ」がオープニングアクトを行った。庭園内では隣接するベルナール・ビュッフェ美術館(同)に展示されている「サーカス」と「カルメン」の登場人物に装ったパフォーマーたちが練り歩き、展示棟前では舞踏家・松岡大さんによる舞踏、館内ではイラストレーター・サノユカシさんによるペインティングなどを披露。およそ300人が集まった。
観覧した三島市在住の40代女性は「美術館はおとなしく見るものと思っていたが、絵から飛び出したパフォーマーやライブペインティング、美しい音楽など、今まで持っていた美術館のイメージを覆すイベントだった。何度も美術館に足を運んでいるが、新しい華やかな魅力を感じた」と感想を述べた。
スケラボ主宰で、今回のアクトの演出を担当した川上大二郎さんは「おととしにスケラボで行った企画映像が美術館スタッフの目に留まったのがきっかけ。同美術館は、いい意味での余白があり、パフォーマンスをする人間を受け入れる度量がある。今回の作品を通して美術館の持つ可能性を再発見してもらえれば」と話す。
開館時間は10時~18時。入館料は大人=1,100円、大学生・高校生=800円、中学生以下無料。12月25日まで。