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沼津に宇佐見りんさん凱旋 市立図書館訪れ新刊を寄贈

寄贈式の様子

寄贈式の様子

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 芥川賞作家で沼津市出身の宇佐見りんさんが5月14日、沼津市立図書館(沼津市三枚橋町)で新作「くるまの娘」の寄贈式を行った。

インタビューに答える宇佐見さん

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 宇佐見さんは1999(平成11)年生まれ、沼津市出身。2019年、デビュー作「かか」で三島由紀夫賞を史上最年少で受賞。2021年「推し、燃ゆ」で史上3番目の若さで芥川賞を受賞した。同作は52万部を超えるベストセラーとなり、2021年もっとも売れた小説となった。

 宇佐見さんは新作「くるまの娘」を奥村篤教育長に贈呈した。奥村さんは「宇佐見さんの芥川賞受賞に、市民は自分ごとのように喜んだ。宇佐見さんと年齢の近い人が自分と重ね合わせて読み、感銘を受けている。沼津から第2の宇佐見りんさんが誕生することを期待している」と話した。

 同図書館の特設コーナーでは宇佐見さんのこれまでの3作品に加え、宇佐見さんに関連する雑誌などを展示している。宇佐見さんは「私ですら持っていない雑誌もある」と驚き、同館スタッフが手作りした「かか」「推し、燃ゆ」「くるまの娘」の表紙を模したカード立てに「本当にうれしい。とてもかわいい」と笑顔を見せた。

 「くるまの娘」について宇佐見さんは「ずっと書きたかったテーマで、自分の根底にあるものを書けた。これまでの作品と違い三人称で書いたのは、客観的・俯瞰(ふかん)的にどの登場人物にも焦点を当てられるから。良くも悪くもさらりと読める小説ではないので、ゆっくり無理せず読んでほしい。小説を読むことで読者と私が深く対話できる部分もあると思う」と話した。

 現在は、次作の構想を練っているという宇佐見さん。「これまでの3作品は10代の女の子が主人公だったが、これからは全然違った人たちのことを書いたり、長編を書いたりしていけたら。4作目は挑戦の作品になる」と意欲を見せる。

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