ヒリゾ浜(南伊豆町中木)が7月1日、海開きを迎えた。
南伊豆町の中木漁港と石廊崎の中間にある伊豆の最南端に位置するヒリゾ浜。ありのままの自然環境と、伊豆半島屈指の透明度を誇り、スキューバーダイビングやシュノーケルを行う場所として人気を集めている。
渡し船「殿羽根丸(どんばねまる)」船長の高野克宏さんは「ヒリゾ浜一帯は崖に囲まれているため、人があまり来ず、さらに黒潮の影響で常にきれいな海水が入る。土砂流入がないのも海がきれいな理由の一つ」と話す。
「伊豆半島の先端で、駿河湾に面しているため魚の種類が多く、100種類以上いる。今は、3年前までいなかったナンヨウハギが見られたり、朝早く沖のポイントに行くとウミガメが見られたりする」とも。
同浜の海開きは静岡県内で最も早い。気象庁によると、東海地方が6月に梅雨明けしたのは1963(昭和38)年に次ぐ2回目で、ヒリゾ浜が海水浴場として約20年前に開設してからは初。高野さんは「今年は黒潮が流れ込んでいる影響もあり、海の透明度が高く、水温も平年より2~3度高く泳ぎやすい」と話す。
千葉県船橋市から訪れたという鹿嶋浩さんは「10年近く毎年来ていて、3カ月間のシーズンパスポートを活用してシュノーケリングを楽しんでいる。今年も海開きを心待ちにしていた。初日にこんなに天気がいいのは初めて。海も奇麗で地元の人も親切にしてくれる、自分も住民のような感覚」と笑顔を見せる。