「ぬまづまちなか美術館 壁アート2022」の壁画が11月28日、完成した。
「街なかを元気にするまちづくりの会」が主催する同プロジェクト。沼津市中心市街地のビルのコンクリートなどの壁面をキャンバスに見立て、「まちなか美術館」にする構想。第1弾として沼津市本町の旧東海道沿いにある「安田屋ビル」の壁にアート作品を描いた。
沼津の歴史、環境、自然をテーマに作品を公募した。27作品の応募の中から沼津市在住の主婦戸塚未帆さんの作品が選ばれた。戸塚さんはミカンや干物、沼津港大型展望水門びゅうお、我入道の渡し、電車、ロールケーキ、家族などを折り紙の切り絵で表現した。
縦約8メートル、横13メートルの壁に、看板の制作を行う「微助人」(沼津市大諏訪)が彩色した。原寸大の紙を壁に貼り、背景から着色を行った。印象をはっきりさせるため、陰影を入れる部分などは戸塚さんの了承を得た上で仕上げたという。
戸塚さんは「姉からアート作品募集のことを聞き応募した。めいがダンスを踊る様子や、これまで沼津で食べたおいしいものや体験した出来事など、日常の一こまを詰め込んだ。折り紙での切り絵を始めてまだ半年程度。このような大きなアートが、自分の絵より素晴らしく仕上がっていてうれしい」と話した。
同会代表の塩見寛さんは「安田屋さんの賛同があったからこそできた作品。この壁画を町の活性化につなげていけたら。かつては市中心街にビルが林立し、隣同士が接して建てられていたため窓がほとんどないビルが多い。ビルが壊され駐車場などになった場所からは、無機質なコンクリート壁面が大きく広がっている。これらの壁が市内には約30カ所ある。今後も市民アートで絵を描くことで街中を元気にしていけたら」と話す。