沼津市民体育館(沼津市高島本町)で2月4日、閉館イベント「寄せ書き枠絵ライブペイント」が行われた。
1973(昭和48)年に開館した同館はバスケットボールやバレーボール、剣道、柔道、トレーニングなど市民のスポーツの場として親しまれてきた。老朽化と総合体育館開館に伴い2月28日に閉館する。
当日は、沼津市在住の画家マツナガマサエさんが、アクリル絵の具を使い高さ約2.5メートル、幅約25メートルのガラス窓や壁、床などに、満開の桜の木やスポーツを楽しむ様子などを描いた。桜の花の部分は、絵の具を付けた布を叩きつけて彩色した。
マツナガさんは「有終の美と明るい始まりを感じさせる桜をメインに、この体育館で起きたドラマを色と色のぶつかり合いで表現した」と話す。
今月28日までの開館日の9時から21時まで、利用者も自由にメッセージや絵を描けるよう水性ペンを用意している。この日も約100人が、富士山や太陽などの絵を描いたり、ありがとうなどの文字を書いたりした。
市内在住の70代女性は「以前この体育館で山口百恵さんがコンサートを開いてれた。懐かしい思い出」と振り返る。
バレエのレッスンで同体育館に通う9歳の勝亦くるみさんは「5年間ここに来ている。この体育館がなくなってしまうのは寂しいが、思い出がいっぱいある」、12歳の守田芽生さんは「毎週練習してどんどん上達することがうれしかった」、11歳の久保田杏音さんは「今までありがとうの気持ち。新体育館での練習もがんばりたい」と、それぞれが思い出を話した。
マツナガさんは「利用者さんの絵や文字が入って作品が完成する。建物がなくなってもここで描いた体験を将来思い出してもらえたら」と話す。
同館は閉館後、9月以降の解体を予定している。