相乗りワゴン車による公共交通の社会実験が8月1日、長泉町で始まった。
10人乗りワゴン車「SPICE BOX」1台を使用。利用者は、同町内を中心とした40のバス停の中から乗降車するバス停と乗車時間を事前に予約。バスは予約が入ると運行されるシステム。予約には長泉町LINE上の専用アプリを使い、同時刻に複数の予約があった場合、AIが最適なルートを選びながら利用者を順に乗降車させていく。毎日10時~17時の運行で、今回の実験では乗車料金が無料。
同町は近年、毎年約500人が首都圏から転入している「移住のまち」。同実験は、自家用車を持つ習慣のない移住者たちの交通手段になることも期待されるという。バス停は移住者も多く住み、乗降者ニーズも高い、同町中土狩・下土狩地区と三島駅周辺の約3キロ圏内を対象に40カ所を設けた。
現在の利用状況は1日平均65人。30~40代のファミリー層が多く利用し、三島駅周辺やスーパーへの移動に使われることが多いという。
同実験の受託事業者は「うさぎ企画」(下土狩)。代表の森田創さんは自身も首都圏から移住した長泉町民で、東伊豆町や焼津市で同様の実験を手がけてきた。
現在の利用状況について、森田さんは「かなり多い利用者数になっている。首都圏のベッドタウンとしてのモデルケースになるのでは」と話す。「首都圏からの移住者は自家用車が必要なことが移住のネックになることもあった。『SPICE BOXがあれば車がなくても大丈夫』となれば、移住がさらに進むのでは」と期待を込める。
8月31日まで。