
観光渡船「我入道の渡し船」が3月20日、今年の運行を始めた。
明治時代から始まった我入道の渡し船。主に生活用の渡し船として活躍していたが、1968(昭和43)年に港大橋の完成によって陸路での移動が可能となり、1971(昭和46)年に廃止された。
観光利用を目的として、1997(平成9)年に復活。地元の船大工が造った昔ながらの木造の和船を使っている。狩野川河口に近い我入道漁協前の船着場から、沼津市の中心地にあるあゆみ橋までの、およそ2.5キロを15分ほどかけて運行する。ぬまづの宝100選にも選定されている。
沼津我入道漁業共同組合の植松敏征組合長は「春が来て、また渡し船の季節が始まるなという気持ち。船頭を務めてくれていた川口安次さんが2年ほど前に体調を崩して引退し、今は木製の櫓(ろ)をこげる人が2人しかいない」と話す。
沼津から訪れた50代男性は「これまで乗ってみたいと思っていたが、なかなかタイミングが合わず、今日初めて乗ることができた。川から見る沼津の景色は新鮮で、とても気持ち良かった」と話していた。
運航日は、5月31日までと7月19~31日、9月13日~11月30日の土曜・日曜・祝日。4月25日~5月6日は毎日運航する。1日4往復。