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三島の私設図書館が吉成信夫さん講演会 にぎわい生む図書館の手法伝える

吉成信夫さんの講演会「賑わいを創出する図書館 ~本を通して人が繋がり街が元気になるには~」

吉成信夫さんの講演会「賑わいを創出する図書館 ~本を通して人が繋がり街が元気になるには~」

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 吉成信夫さんの講演会「賑(にぎ)わいを創出する図書館 ~本を通して人が繋(つな)がり街が元気になるには~」が12月14日、飲食店「四季酒菜 風土」(三島市芝本町)大広間で開催された。主催は私設図書館「あひる図書館」(同)。
 当日は、同館の本棚オーナーや地域住民など26人が参加した。

吉成信夫さんの講演会「賑わいを創出する図書館 ~本を通して人が繋がり街が元気になるには~」の様子(関連画像3枚)

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 1956(昭和31)年東京都生まれの吉成さんは成蹊大学卒業後、CIコンサルティング会社役員を経て、40歳を機に家族で岩手県へ移住。「石と賢治のミュージアム」研究専門員を経て2001(平成13)年に「森と風のがっこう」を開校。岩手県立児童館「いわて子どもの森」や「岐阜市立図書館」の館長を務め、2020年5月、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」総合プロデューサーに就任。現在は兵庫県明石市の「本のまちづくり推進アドバイザー」や中部学院大学兼短期大学部客員教授を務めている。

 講演会で吉成さんは、図書館をやりたいと思い、たまたま目についた「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の館長に応募したら通ったことや、年間来館者数を増やすための取り組みなどを紹介。来館者数が開館1年間で123万人となり、40歳以下の利用者割合も旧図書館で29.7%から47.4%に増え、若い世代も訪れる場所になったことなどを解説した。

 吉成さんは「まちに開いた図書館を目指した。多様な人の居場所となり、たくさんのコミュニティーが生まれる図書館にしたいと思った。伊東豊雄さんが設計した建築コンセプトも生かし、『子どもの声は未来の声』とし、小さい子どもたちの声があえて遮断されないようにこだわった。子どもの声がうるさいといったクレームは初めこそあったが、そのうちほとんどなくなった。『メディアコスモス』は人とまちをつなぐ屋根の付いた公園」と話した。

 市民が自己紹介とともに「お薦め」の本を紹介する「みんなのライブラリー」や、岐阜の郷土文化にまつわるテーマを専門家などを交えて深堀りして学ぶ「大人の夜学」、車輪付きで移動できる犬型デザインの巡回本棚「わんこカート」、子ども司書制度、朝井リョウさんを毎回招いて開く中高生のためのショートショート発表会など、多岐にわたる取り組みも紹介した。

 岐阜市出身で三島市在住、3児を育てる銀杏田由美子さんは「里帰り出産の時に何度か立ち寄ったことのある図書館だが、開館までのストーリーがとても面白かった。幼い頃の気持ちを忘れず、地域の子どもたちと『遊ぶように学ぶ』ことを自然の中で実践してきた経験が、図書館運営にも生かされていることが分かった。こんなにすてきな図書館が、毎日でも通える距離にある岐阜市民がうらやましい」と話していた。

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